春節中のショッピングセンターのレストラン街。どの店にも列ができていた【撮影/大橋史彦】

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2006年に中国に移住した大橋さん。蘇州、北京、広州、そして08年からは上海に在住。情報誌の編集長を経て13年9月よりフリーランス。中国の正月「春節」に考えた中国経済の行方。上海対外貿易大学東アジア経済研究センター主任の陳子雷教授のインタビューを中心に、中国のこれからを分析します。

 旧暦を重んじる中国では、春節を迎えてようやく新しい年になる(今年は2月1日が「初一」つまり元旦にあたる)。春節に欠かせないのが爆竹や花火のけたたましい音だが、大気汚染の影響で今年は自粛ムード。控えめな新年となった。

ルイス転換点を迎えた中国において、成長率の鈍化は必然

 日中関係は依然として先が見えない状況だが、もうひとつ気になるのが中国経済の行方。メディアでは昨年に引き続き不安の声が多いが、街なかを見たり中国人と話をしているとそれほど景気が悪いようには感じられない。

 実際のところはどうなのか。日本のビジネス誌への寄稿経験もある、上海対外貿易大学東アジア経済研究センター主任の陳子雷教授に2014年の中国経済を聞いてみた。

「グローバル経済では、アメリカは失業率が改善しているものの景気の回復はまだ不確実。日本も昨年はよかったが今年は消費税増税があるし、アベノミクスの成長戦略が見えない。他の新興国も成長率は鈍化している。そうした状況の中で14年度の中国の輸出は伸び悩むだろう」

 輸出がふるわなければ頼みは内需だが、陳教授によれば、個人消費は毎年約13%と順調に伸びているものの急速な消費拡大は期待できない。そこで成長の牽引役となるのは投資だという。

「消費はじわじわと伸びてはいるが、所得が増えないとそれほど期待できない。中国経済の問題は貯蓄率が高いことであり、その貯蓄をどう活用するかというと投資しかない。ただし投資は過剰生産になる恐れもあるので、そうならないようコントロールする必要もある」

 過剰生産に陥らないためにも、陳教授は7%の成長で十分だと言う。

「これまで高い成長率を維持していたのは、毎年1000万人以上の農民工(農村戸籍の出稼ぎ労働者)の雇用確保が必要だったからだ。それに加えて大学新卒者の雇用まで確保するとなると8%以上の成長率を維持する必要があった。しかし中国はルイス転換点(工業化の過程で農業部門の余剰労働力が底をつくこと)を迎えたところで、労働人口減少の傾向がみられる。雇用確保のプレッシャーが徐々になくなっているので、成長率が下がるのは当然だ」

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