NHKオンデマンドでは「あまちゃん」秘蔵動画集も配信中

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光フレッツやLTEとか高速ネット回線の普及を追っかけるように、各社の動画見放題のサービスが出そろい、競争の火花を散らしています。ユーザーとしてはどれを選ぶか迷いがちですし、ぜんぶ契約してまえ!という気にもなります。
しかし、チリも積もれば山となる。1ヶ月1000円として年間12000円、2千円ならその倍。コロッと契約を忘れて寝かせてると、自動更新であれよあれよと料金の山がチョモランマに……。
そして月額料金のうちに「コンテンツぜんぶ入り」かどうかも見極めどころ。たとえ基本料金がタダであっても、無料で見られるのはシリーズ13本のうち1本だけで、残りは一本あたり数百円払えっておねだりされたらモヤモヤします。

そんなわけで

「月額料金は1000円以下」
「コンテンツ一本ごとに追加料金クレクレしない太っ腹!」

この2つを目安にして、どの見放題サービスが一番オトクなのか。この際、スパッと決めてしまいましょう!

Hulu

アメリカはカリフォルニア州ロサンジェルス生まれで、はるばる日本にやってきた動画見放題サービスのhulu。それまで一本ごとの切り売り商法がドッカリ根を下ろしていたこの国に「ケチケチせんと、ぜんぶ見せたらええんや!」と思い切った方針がどえらいインパクトをもたらし、他社のサービスにも急ハンドルを切らせた黒船です。
海外ドラマのラインナップがとにかく強い。脱獄しては投獄される『プリズン・ブレイク』やジャック・バウアー大暴れの『24』、世界各地で超能力者が目覚める『ヒーローズ』など、メジャーどころはほぼ網羅。その反面で、少し前は日本向けのコンテンツがちょっと弱かった。字幕版のみで吹き替え版がなかったり、音だけを聞く“ながら見”に厳しかったんです。
ただ、最近はジャック・バウアーの音声も日本語(小山力也さんの声!)で聞けて、吹き替え版もボチボチ充実。TBSオンデマンドや東映からも作品が提供され、劇場公開された『SPEC』のテレビシリーズや『仮面ライダー電王』ほか平成仮面ライダーもたっぷり。テレビ東京系のキッズアニメも強かったりします。

●dビデオ/dアニメストア

NTTドコモがエイベックスと協力して提供している、スマートフォン向け定額動画配信サービス。ラインナップは約18000本で海外ドラマに強く、ちょうどHulu(約6万本)のミニチュア版といったところ。
でも、月額525円でダントツの安さ。『家政婦のミタ』や『闇金ウシジマくん』ほか国内人気ドラマもあり、『ルパン三世 カリオストロの城』や『未来少年コナン』といった宮崎駿監督の過去作品もしっかり押さえられてるうれしさ。
とはいえ、元々が「自社のスマホ向けサービス」からスタートした事情から、ドコモのUIMカードが挿入できる端末およびSPモード(スマホ向けのプロバイダ)契約がなくてはならない。つまりドコモ端末を最低でも一台が必要で、SPモードの月額使用料金315円の負担もプラスされるから、実際には月525円以上のコストがかかる。あくまで「すでにドコモユーザーの人にとって」付加価値として割安ということ。
なお、アニメ専用サービスとして「dアニメストア」も月420円で、ちょいお安めに提供されてます。こちらも鑑賞できる機器や操作面はほぼ同じで、『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ はじまりの物語』や『進撃の巨人』など最近の超人気作品から、『おいら宇宙の探鉱夫』といった知る人ぞ知るマニアックな作品まで、品ぞろえに妥協なし

NHKオンデマンド

スタートしたのは2008年12月。かなり国内でも早い時期の取り組みで、朝ドラ一本あたり15分で105円は高すぎ!ニュース以外は放送されてから24時間後という配信も遅い!コンピュータ向けとしてはWindowsやインターネットエクスプローラーにしか対応してなくて不便!などなど、先がけた開拓者ならではの迷走をやらかし、「動画配信サービスの失敗例」の墓碑銘に刻まれかけていたNHKオンデマンド。
そんな哀しい記憶も、今は昔のこと。配信方式も改められて、MacやiPhone/iPad、Androidにも対応。視聴環境にまつわる不満は拭い去られています。
お値段の面でも、見逃し番組を見まくれる「見逃し見放題パック」が2010年1月に1480円→980円に値下げ。同じ年の朝ドラ『ゲゲゲの女房』が大人気の追い風もあって巻き返しに転じ、過去の映像を集めた「特選見放題パック」も戦列に加わりました。
「紅白歌合戦」をあと追いしたいときに大活躍する「見逃し見放題パック」ですが、NHKの地上波はひんぱんに再放送することもあり、ふだんはイマイチ。
一方で「特選見放題パック」は、実は価格破壊すぎる。『あまちゃん』全話が丸ごと観られるのも美味しいけど、20世紀の歴史を当時の映像や貴重な証言で描いた『映像の世紀』が超ド級。全11話の映像は、DVDボックスに換算すれば6万6千円以上!『おしん』や『独眼竜政宗』といった朝ドラや大河ドラマも入っていて、ライブラリのぶ厚さは、さすが歴史ある国営放送です。

それぞれの良さもクセもある各サービスをざっと紹介してきましたが、どれを選ぶか決められたでしょうか? 僕はやっぱり決められませんでした、スイマセン!
一時はスマホであれPCであれ機器の壁を超えて利用でき、モバイルでの続きを家のテレビですぐ観られるHuluが使いやすさでリードしてたものの、dビデオもがんばって猛追してます。NHKオンデマンドはアプリの面では貧弱ですが、『電子立国 日本の自叙伝』など過去のドキュメンタリーが好きなら他に選択肢はない。つまり、「アナタにとっての一番」が、最高の動画見放題サービスなんです!
(多根清史)