医療費控除などできる控除は適正に行い、ムダな税金は払わないにこしたことはない。ただ、下手な節税策は後で大変なことになりかねない。最終回は、ビジネスパーソンが「やってはいけない節税」と税法上有利な「不動産投資」、今年3月で期限切れとなるゴルフ会員権の損益通算について述べてみよう。

「見せしめ逮捕」だってあり得る

 2013年2月、確定申告期の直前に「節税コンサルタント」が逮捕された。そのコンサルタントは、ビジネスパーソンのための節税法としてセミナーを主催し、本やブログで顧客を集め、数十人を対象に“脱税指南”をしていた。

 その手口は、ビジネスパーソンが文筆業や物品販売業、旅行業などの副業をして事業所得があるように見せかけ、家賃、携帯電話代、食事代などの接待交際費、新聞図書費などを経費計上させ、事業所得の赤字と給与所得とを損益通算をして、源泉徴収された税金を還付させるというものである。

 この容疑者は、この方法をコンサルティングすることで、顧客一人当たり年額7万〜8万円のフィーを取っていたようである。

 この容疑者を信じたビジネスパーソンは大変だ。勤めている会社に税務署職員が調査に来ることがあるということを想定していただろうか。税務署職員には「質問検査権」が認められている。税務署職員は何度でも職場に来るし、本人にばかりでなく、同僚や上司に何度も質問および検査を行い、またその文筆業や物品販売の取引先にも、どういう経緯で顧客になったのか、支払の〆日は何時で支払い方法は何かなどを事細かに何度でも質問をする。

 節税が上手くいかなかったと言って「還付された税金を返せばよい」というものではない。これは、「偽り不正」の行為で重加算税の対象となる。悪質の度合いによっては、不正な手段で税の還付を受けた「逋脱(ほだつ)犯」となる場合もある。金額が小さいからと馬鹿にしてはいけない。あなたが、見せしめに逮捕されるのかもしれないのだ。

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