「2010年のインテル対バルセロナは、過去50年で最も素晴らしい試合だった」。現在チェルシーを率いるジョゼ・モウリーニョ監督の発言だ。

モウリーニョ監督が挙げたのは、チャンピオンズリーグ(CL)準決勝ファーストレグのバルセロナ戦のことだ。彼の“敵”であるペップ・グアルディオラ監督が率いていたバルサとの対戦である。そのバルサをいかに弱体化させ、快挙を成し遂げたかについて、モウリーニョ監督はこう語った。

「我々は3−1で勝利した。それでも我々にとっては少ないくらいだった。4、5ゴールを決めてもおかしくなかったよ。過去50年で最も素晴らしい試合だったと思う。ファーストレグがホームで、セカンドレグがアウェーだから、とても厳しくなることは分かっていた。だから、サン・シーロで勝てなければ、セカンドレグでチャンスはないと分かっていたんだ。我々は全力でピッチに向かい、そして3−1で勝ったんだよ」

カンプ・ノウでのセカンドレグで“防壁”を立てたのは、純粋かつシンプルなロジックだった。

「3−1とリードして(セカンドレグを)始め、10人での戦いを強いられれば、ゴール前に飛行機でも置くものさ!」

だが、当時のインテルの豪華さはあまり残っていない。3−1で勝利した試合でゴールを挙げた選手たちは、エリック・トヒル現会長が率いる現チームから遠く離れていった。

ヴェスレイ・スナイデルはガラタサライに所属し、今季のCLでユヴェントスをグループリーグ敗退に追いやり、マイコンはローマでローマ弁を話している。唯一インテルに残っているディエゴ・ミリートも、手術によって苦しめられているひざを抱えつつ、ポスト・モウリーニョの廃墟から抜け出そうとしているところだ。

だからこそ、インテルが決して忘れず、サポーターにとても愛されているモウリーニョ監督のこの時期のコメントは、インテルの人たちにノスタルジーを引き起こすだろう。