4月の消費税増税を控えて、日本経済の先行きも不透明な中、今年の投資はどんな作戦で臨めばよいのか。経済アナリスト・森永卓郎氏が解説する。

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 2014年1月からは、証券優遇税制に代わって、NISA(少額投資非課税制度)もスタートしました。各金融機関が必死に勧誘合戦を行なっているので、ご存じの方も多いと思いますが、これを活用しない手はありません。

 ただし、留意点があります。NISA口座で生じた売買損失は、課税される他の口座(一般口座や特定口座など)の収益との損益通算はできず、損失の繰越控除もできません。したがって、頻繁に売買を繰り返して儲けを狙うような投資には向かない制度なのです。

 絶対に活用した方が得だとはいえますが、この口座ではマクロに対応した資産運用、たとえば大型株を仕込んで長期保有するような口座と考えた方が得策ではないでしょうか。投資初心者で何を買ったらいいかわからないという人は、株価指数などへ連動するETF(上場投資信託)を買えばいいと思います。

 一方、投資の知識があり、リスクをとっても大儲けを狙いたいという人は、NISA口座とは別に、通常口座を使った売買で勝負をかければいいでしょう。バブル発生を見越して勝負をかける具体的なセクターとしては、まず狙い目は不動産、金融です。ただし、前回のバブルの時は日本中の土地が値上がりしましたが、今度のバブルはそうはならず、金持ちが欲しがるような地域しか値上がりしない可能性が高いので、不動産株は注意が必要です。

 その兆候はすでに明確に出ています。たとえば、五輪の東京開催が決定する直前に大手不動産会社が東京湾岸エリアのマンション用地を落札した際の坪単価は、隣接する用地を3年前に別の大手不動産会社が落札した価格の1.5倍でした。

 一方、首都圏郊外のニュータウンの物件は、叩き売り状態でも買い手がつかないのが現状です。つまり、不動産はすべての銘柄が値上がりするわけではなく、金持ち相手に商売をしている一部の銘柄しか値上がりしない可能性が高いといえます。

 それから、政府の規制緩和の追い風を受ける、旧財閥系などの政府寄りの企業の株価は、上昇期待も高いです。さらに、輸出関連企業も期待できると思います。日銀がさらに異次元の金融緩和を行なえば、為替相場は1ドル=120円ぐらいまで円安に進むと思われるので、輸出企業の業績は先行きが明るくなります。

 デフレの時はボーッとしている人でも資産を守れましたが、そうした人はインフレ時には必ずやられてしまいます。15年間もデフレが続いてきたので、これからも何となく大丈夫だと考えている国民が多いと思われますが、2年間で8%の物価上昇が起こる中で、何もしないのはまさに自殺行為に等しいといえます。

 超格差社会で苦しまないよう、インフレの恐ろしさをよく認識し、知識を蓄えて、株式投資で資産防衛を実践してはどうでしょう。

※マネーポスト2014年新春号