女性の社会進出と子育ての両立を促進すべく、昨年4月に安倍内閣が打ち出した「育児休業3年」。子どもが幼い間は自らの手で育てたいという考え方の家庭にとっては、朗報とも言えます。

ただ、2012年度の日本における男性の育児休業(育休)取得率はわずか1.89%。この政策が実施されたとしても、女性だけが仕事を長期間休み、家事や子育ての大半を担うというあり方が強化されてしまい、本来の目的と矛盾するのではないかとの声も上がっています。

一方で、女性の80%以上がフルタイムで働き、しかも、男女問わず3年間の育休が実際に活用されているフィンランドでは、特に男性の育休取得率が顕著です。書籍『フィンランド流イクメンMIKKOの世界一しあわせな子育て』では、駐日フィンランド大使館に勤めながら、一男一女の子育てに積極的に関わる外交官ミッコ・コイヴマー氏が"イクメン"の立場からその理由を次のように考察します。

【1】父親は子どもと一緒にいたいと思っているから。今日のフィンランド社会はその考えを受け入れ、奨励さえしている。

【2】フィンランド人男性は男女が平等であると考えており、子育ての権利や責任についても公平に分かち合うべきだと考えているため。

【3】国からの子育てに関する各種の手当を法律で保証された短い労働時間が、イクメンの存在を経済的および実質的に可能なものにしているから。

【1】と【2】は個人の意識に依るところも大きいポイントですが、社会全体の問題として改善できるとしたら、【3】の「労働時間の短縮」です。ミキハウスが実施した「イクメン外国人座談会」でも、日本在住のアメリカ人、フランス人、中国人、韓国人のイクメン男性が「日本人男性は職場での労働時間が長いため、子育てへの意思はあっても、それを実行するエネルギーを家庭に持ち帰れていない」と指摘しています。

「イクメンが増えて子育てで大きな役割を果たし、彼らの労働時間が短くなれば、女性の働き方に多くの選択肢をもたらします。女性がキャリアを積む可能性を高めて理想的なワーク・ライフ・バランスを実現し、より充実した人生を送ることにつながるでしょう」

ミッコ氏がそう語るように「女性の社会進出」には、男性の子育てをはじめとする家事への参加が重要な鍵になってきます。それを実現するためには、フィンランドを習って"労働時間の短縮"が何より急務なのかもしれません。

【関連リンク】
日本に住む外国人パパに聞きました! 日本の"イクメン事情"どう思う?(ミキハウス 出産・準備サイト)
http://baby.mikihouse.co.jp/information/post-1024.html



『フィンランド流イクメンMIKKOの世界一しあわせな子育て』
 著者:ミッコ コイヴマー
 出版社:かまくら春秋社
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