「持病があっても入れる」……など、医療保険では“消費者に有利”と思える売り文句が多用される。中でも、「お祝い金が出ます」はよく聞くフレーズだ。しかし、『生命保険の嘘』(小学館刊。大江英樹氏と共著)を上梓した「保険相談室」代表の後田亨氏は、「あらかじめ余計に取っておいた保険料の一部をキャッシュバックするだけ」と喝破する。

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「お祝い金」付きの保険は消費者にもお馴染みだと思います。「お祝い金」は、例えば入院に備える「医療保険」にオプションとして設定されるケースがあります。契約期間中、3年おきに15 万円が支払われるといった内容です。

 正式には生存給付金という名称ですが、広告などでは「お祝い金」あるいは「ボーナス」という言葉が使われています。

「自分が払っているお金から出ているとわかっていても嬉しい。貯蓄とは別のマインドというか。へそくり的に使えるのも良いのかも」

 これは、保険会社に勤務している女性のコメントです。実態はこのコメントのように、契約者が負担する料金の中にキャッシュバック用として徴収されている部分が払い戻されているだけです。

 したがって「お祝い金」「ボーナス」という名称はかなり図々しいものです。仮にも保険会社が自腹を切ってお金を出すのであれば、「お祝い金」というネーミングもありだと思います。しかし、繰り返しますが、あらかじめ余計に取っておいたお金を返金するだけなのです。

 しかも、商品によっては毎月「お祝い金」用にいくら徴収するのか明らかにしないまま販売されているものもあります。16万円払って15万円戻される仕組みかもしれないと疑ってみても、確認のしようが無いのです。

※後田亨・大江英樹/著『生命保険の嘘』(小学館刊)より