2014年ブレイク必至!? カルト芸人・永野とは?
「永野」というピン芸人をご存じだろうか。かつては『リンカーン』『あらびき団』などに出演し、ガキの使い「山-1グランプリ」で優勝した。「いつブレイクするか?」と言われ続けてすでに芸歴18年。テレビで目にすることはほとんどない。いつしか“カルト芸人”の異名がついた。

 そんな永野が、「今年、ブレイク間違いなし!」とにわかに囁かれている。昨年秋、ももクロの深夜番組にチョイ出演したことで火がつき、今年の正月には『さんまのまんま』に登場。今田耕司のイチオシ芸人の一人としてネタを披露した。今田耕司には「ラストチャンス逃しやがった!」と茶化されるも、明石家さんまは「ここに笑いをこだわるかぁ」と高く評価した。

◆キャバレー跡地で単独ライブ

 1月26日、永野の単独ライブ「キャンディポップ」が開催された。場所は新宿歌舞伎町・風林会館5F「ニュージャパン」。知る人ぞ知る、昭和のグランドキャバレー跡地だ。きらびやかなシャンデリアに豪華なソファー。「なぜここで……?」と疑問だったが、一昨年、自身の誕生日に「Zepp Tokyo」で単独ライブを行った破天荒な経緯をみると、妙に納得できる。

 永野がステージに現れると、大歓声と拍手が湧いた。“ポップ”がコンセプトのこのライブ。テレビでもお馴染みになりつつある歌ネタやコントを立て続けに披露したあと、突然、「申し遅れました、戸塚宏です!」と自己紹介。思わずひっくり返りそうになった。(どこがポップだ……ギリギリすぎる。)

 コントのタイトルも、「息子とキャッチボールをしたあと、他人の風呂を覗く人」、「交通違反で点を引かれたあと、かっぱ寿司に来てあんまり食べない人」、「戦争の悲惨さを見せられるキャバクラ」など、ポップのカケラもない。「スカートめくりをされた方が悪く見えるところ」に至っては、女性のスカートを後ろから前からめくり、パンツ丸見えにして「ムカつく」と一言。彼は完全にポップを諦めている。

 終始、「ポップ!ポップ!」と連呼していた永野だが、一度だけ、「アングラだったら言ってください」とポツリ。記者は全力で、「アングラ!!」と心の中で叫んだ。

◆永野の笑いとは?

 永野の芸風は、ひと言で言えば「シュール」。シュールさで言ったらダリか永野か、というくらいシュール。しかし他のシュールな芸人とは、ある点で真逆だ。それは圧倒的な“笑いの量”の違い。

 シュールなネタには普通、「クスッ」「ククッ」という小さな笑いが起きるものだ。対して、永野のネタにはドッカンドッカン笑いが起きる。観客は手を叩き、涙を浮かべ、ゲラゲラと抱腹絶倒する。極めてシュールだし、ネタの意味もよく分からないのだが、ギリギリの笑いを堪えきれないのだ。

「ナポリを見てから死ね」ということわざがある。“ナポリ湾の風光を見ないともったいない”という意味だが、ナポリよりも「永野を見てから死ね」なんじゃないかという気がする。こんな摩訶不思議な芸人は、おそらく世界中探しても他にいない。

 次回、永野の謎と魅力に迫るインタビュー。(どうなることやら……)乞う、ご期待!

<TEXT,PHOTO/尾崎ムギ子>