第2ラウンドは「外国人買い+業績相場」でこれから10年、日本株の上昇相場が続く!
長期投資家にとっても、日本株市場にとっても、株式市場は第2ラウンドに入っていくと想定したい。
ここらあたりから「すごい上昇が始まるぞ」という感触がある。中国経済の3倍規模の巨大経済を誇る米国の景気が上向きだしており、日本経済にとってもデフレ脱却への最大の援軍となる。世界のGDP(国内総生産)の約30%を占める日米両国が世界経済を牽引する強力な機関車となっていく!

景気が回復途上の米国は企業の業績もどんどんよくなってきている!

連日のように史上最高値を更新している米国株だが、高値警戒感を唱える声もある。だが、過熱感というほどでもない。むしろ、買い遅れた投資家の焦りのほうがどんどん大きくなっている状況だ。

その理由としては、2013年の米国株は幾度となく高値追いの後、しばらく休み、そして再び上昇を繰り返していること。ちょっと押し目があれば、出遅れた投資家たちがドドッと買ってくるから、また史上最高値更新となる。

これまでの米国株式市場は、いい感じで株価が上昇していると、どこかで弱い景気指標が発表されては株価全般が売られて下がる。その繰り返しだった。

しかし、米国景気は確実に回復基調の途上にあり、企業の業績もどんどんよくなってきた。それで、しばらく調整しては再び株価上昇に入っていく展開となるのだ。

米国の大投資家であるジョン・テンプルトン氏は、「相場は絶望と恐怖の下で生まれ、不安と懐疑の中で育ち、歓喜の熱狂とともに消えていく」という言葉を残した。

米国株市場は、「そんなに株価が上がる経済環境下にはない」と、皆がガンガンの強気になれない中をスルスルと上昇しているわけだ。多くの投資家が半信半疑にある間は、まだまだ相場の上昇余地は大きいのだろう。

ひるがえって、日本株市場はどうだろうか?

2012年11月14日、野田首相(当時)が衆議院解散を表明した。その寸前までは、まさに株価はダラダラ下げの絶望と恐怖の下にあった。

ところが、総選挙が決まるや「これで民主党政権は終わり、少しはマシな政治が期待できるだろう」ということで、株式市場にご祝儀買いが入った。それをきっかけに、反発相場が始まったのだ。そこからアレヨアレヨという間に株価全般は約80%高(2013年12月9日現在)に。それだけ株価反発のエネルギーが蓄積されていたわけだ。

持ち合い株の解消売りが終わったことで、構造的な売り圧迫の要因は消えた

2013年5月下旬から秋口までの調整相場を経て、ようやく日本株は再び上昇の途に就いたようだ。これから10年は続くであろう上昇相場の第2ラウンドが始まったとみていいだろう。

もっとも、投資家や市場関係者の多くがさらなる株価上昇には相当に懐疑的である。それどころか、米国株の上昇もそのうち腰折れとなり、それにつれて日本株も下げに転じるといった見解が支配的だ。日本株の引き続きの上昇はとても信じられない、ということなんだろう。

バブル崩壊後の23 年間、ずっと日本株市場を押しつぶしてきた持ち合い解消売りは終わった。もう構造的な売り圧迫要因は消え去ったわけだ。日本株は買えばいくらでも上がる状況になってきたから、早いうちにどんどん買っておこうと、これまで私は主張してきた。

そうなのだ、日本株市場の需給は大幅に改善した。もう懐疑とか不安とか言っている段階ではない。早く、そしてたっぷり買っておかないと、とてつもない大きな上昇相場に乗り遅れてしまう。そう考えておいたほうがいいのだ。

相場を読むにあたって、需給の改善ほど確かなものはない。売りが出てこなければ、株価は上がるに決まっている。

ここにきて上昇相場の第2ラウンドに入ったと思われるが、主体は海外の年金など中長期投資をもっぱらとする外国人投資家の買いだろう。

彼らは第1ラウンドに乗れなかったのだ。この10年ほど、長期低迷が続く日本株を見限って中国など新興国株へシフトし、日本株保有をゼロ同然まで下げ、リサーチスタッフや運用者をクビにし、完全に日本株離れをしてきた。

中間決算を見ても日本企業の収益状況は急ピッチで改善中だ

ところが、その日本株市場が2012年末から突如として上昇に転じたから、外国投資家たちは大慌てである。運用成績で完全に出遅れてしまった。さらには、世界3大市場のひとつ日本株市場が復活してきたとなると、グローバルポートフォリオの中でそれなりのポジションを持たないといけない。それを怠ることは、運用能力が問われることになるからだ。

そんな彼らも、ようやく日本株のリサーチが進み、そろそろ大挙して買ってくるころだ。運用資金の規模からいっても、10兆円ぐらいは買いにきてもおかしくはない。これほどの金額が投入されれば、相当大きなインパクトとなるだろう。

そこへ、これから「業績相場」が乗っかってくる。9月の中間決算を見てもわかるが、日本企業の収益状況は急ピッチで改善している。

アベノミクス効果やここまでの株価上昇で、景気動向はかなり強くなっており、それが尻上がりの業績相場へとつながっていくだろう。

さあ、日本株はこれからが大いに楽しみである。

澤上篤人(ATSUTO SAWAKAMI)
さわかみ投信取締役会長

1947年、愛知県名古屋市生まれ。73年、ジュネーブ大学付属国際問題研究所国際経済学修士課程履修。ピクテ・ジャパン(現・ピクテ投信)代表取締役を経て、96年にサラリーマン世帯を対象にさわかみ投資顧問(現・さわかみ投信)を設立。『5年後の日本をいま買う長期投資』(小社刊)、『今から長期投資を始めて2億円にしよう!』(主婦の友社)など著書多数。



この記事は「WEBネットマネー2014年2月号」に掲載されたものです。