2月7日にはロシアのソチで冬季五輪が開幕する。国民最大の関心事といえば女子フィギュア、浅田真央(23)とキム・ヨナ(23)の対決。その二大スターを陰で支えてきたある男がソチ五輪では不在だという。

 カリスマ研磨師、坂田清治氏。フィギュアは、ちょっとした感覚のズレがジャンプやスケーティングに影響を及ぼすスポーツだ。坂田氏は身長、体重、リンクの硬さなどを考慮し、ブレード(刃)を100分の1ミリ単位で磨くことで“感覚のズレ”を解消してきた職人である。

 これまで浅田真央を始めとする日本勢に加え、キム・ヨナのブレードも研磨。当然ソチ入りすると見られてきたが、「病気療養中で、今回はソチには行きません」(フィギュア関係者)。

 果たして、氏の不在はトップ選手たちのパフォーマンスにどう影響するのか。

「日本選手以上に坂田さんに全幅の信頼を寄せているのがキム・ヨナ。7年前、わざわざ本人が日本を訪ね、研磨のお願いにきた。以来関係は続き、バンクーバー五輪前の大会では演技直前に『フリッツが飛べない』と刃の調整を頼んだこともある。それだけ坂田氏を頼っているということ」(同前)

 とはいえ、キム・ヨナの動静にばかり目を奪われがちだが、五輪本番で真央の最大のライバルは、地元ロシア現れた新鋭になるかもしれない。

 ユリア・リプニツカヤ、15歳。1月17日の欧州選手権で、今季世界最高の合計209.72点で優勝し、一躍金メダル候補に。

 リプニツカヤの代名詞は、後ろに高く上げた右足を背中につけて回転する「キャンドルスピン」──高い柔軟性とスキルを必要とする技である。あるフィギュアスケート専門ライターは、「メディアがさんざん煽る“真央vsヨナ”という図式は的外れ。我々専門ライターの間では、“本命はロシア”とかねてより囁かれていた」と語る。

 15歳といえば浅田がGPファイナルを初優勝した年齢だが、

「表現力は当時の浅田さんを上回るほど豊か。若さが指摘されますが、ロシア人の選手は10代後半に差し掛かると体重が増えて体型が変わってしまう。そういう意味では今がベストコンディションかも。採点競技だけに地元のアドバンテージもあります」(同前)

※週刊ポスト2014年2月7日号