子どもの将来につながる遊びには、親の関わり方と遊び道具がポイント

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就学前の子育てに悩む親に向けて、幼児期における「遊び」の重要性の啓発・アドバイスをおこなっている「プレイフルラーニング〜幼児の『遊びと学び』プロジェクト」が2014年1月27日、一般の親子20組を招き、講義とワークショップなどのイベントを開催した。

親の関わり方が、遊びの質を左右する

本イベントは、就学前の幼児期(3〜6歳)の遊ばせ方の重要性を伝える狙い。13年末に、OECD(経済協力開発機構)により12年に実施された生徒の学習到達度調査(PISA)の結果が発表され、日本は、前回の09年調査から順位を上げ、「脱ゆとり教育」の成果がみられた。その一方で、「学習意欲の低迷」や「応用力の低さ」が浮き彫りになり、受け身の子どもが多く、「自ら学ぼうとする主体的な学び」が大きな課題として残っている。本プロジェクトによると、これらの集中力や応用力といった”学びの基礎力”や”学びへの意欲”を身につけるには、幼児期にしっかり遊ばせ、"楽しい、わくわくする"体験を通して、探究心や考える力を育むことが大事だと言う。

その上で、子どもの将来につながる遊びには、"親の関わり方"と"遊び道具"がポイントとしてあげられる。

内田伸子お茶の水女子大学名誉教授は、子供を遊ばせる上での親の関わり方について、親目線での介入で支持を与える「強制型しつけ」ではなく、援助的にサポートし考える余地を子どもに与える 「共有型しつけ」が効果的だと説いた。そのポイントは以下の5点。

1.子どもに寄り添う
2.ほかのことくらべるのではなく、その子自身の進歩を認める
3.聞かれたことに対してすべてを教えない
4.禁止や命令ではなく「〜したら?」と提案する
5.子供が考え、判断する余地を残すこと

内田教授は「子どもは、五感を使うことで脳が発達するため、子供自身の可能性を広げながら時に見守り、時には援助しながら導いてあげることが大事。世界的にも就学前の遊びに対する研究がすすめられ、関心が高まっています。遊びは量よりも質が大事で、特に親との関わり方が大切です」と解説する。

また、遊び道具については、十文字学園女子大学の大宮先生より、選び方のポイントとして以下の3点が紹介された。

1.想像力を働かせる余白がある
2. 子どもができることより、少し上のレベル感
3. 親の価値観ではなく、子の興味で

イベント会場では、上記ポイントを踏まえた遊びスペースも設けられ、参加親子が実際に遊びを体験した。

難関突破経験者の親の子育ては3人に2人が「共有型」

実は、幼少期の「共有型しつけ」はその子が将来難関を突破できるかどうかについても関係する可能性も示唆されている。

同プロジェクトが20代の社会人の子どもを持つ全国の親1040名を対象におこなった「子どもの難関突破経験と子育ての実態に関する調査」(13年12月13日〜15日実施)の結果によると、難関突破経験者の親は「遊びに対する子どもの自発性を大事にした」(28.8%)、「子どもの思いや意欲を大切にして遊ばせるようにした」(29.7%)を「よく当てはまる」と答えるなど、子どもに遊びの主導権を渡す項目で難関突破未経験者と比べて高い。

つまり、難関突破経験者の親の子育ては3人に2人が「共有型」。また、難関突破経験者の親ほど遊びを重視している傾向もあるという。

内田教授は就学前の遊びにおける「熱中体験」が子どもの「集中力」を高め、小・中・高のクラブ活動等へ の取り組む力を育み、難関突破へつながっていると分析している。

「難関突破経験者の親に、子どもの集中力や意欲を育てる遊ばせ方をする『共有型』が多いのは当然の結果と言ってもよいでしょう。就学前の遊びを通じて身につけた集中力などが、就学後の学習意欲を育み、さらには難関突破経験につながったもの考えられます」