「月々数千円」「一生上がらない」……そうした保険なら「安心料」として相応しいと言えるのだろうか。『生命保険の嘘』(小学館刊。大江英樹氏との共著)を上梓した「保険相談室」代表の後田亨氏は、保険料に占める経費率(保険会社の取り分)を明らかにしていない保険商品がほとんどであるため、決して安心はできないと言う。

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 保険料について「安心料のつもりで払っている」とおっしゃる方は少なくありません。しかし、私はこの「安心料」という言葉に疑いを持つべきだと思います。

 まず、安心料として妥当な金額かどうか、確認する方法がありません。一般に「保険」は、加入者から集めたお金を共有財産として、例えば不幸があった家庭にお金を届ける「相互扶助」の仕組みであると説明されます。

 加入者が負担する料金には、「保険金支払いに向けられるお金」以外に、「保険会社や代理店の運営経費(人件費や店舗費など)」が含まれています。

 保険業界で、いち早く保険料に含まれる経費の割合を公表したのはライフネット生命で、その経費率は概ね20%台半ばです。つまり、「死亡保険」に加入し10万円を支払っても、不幸があった加入者に分配されるのは7万5000円前後だということです。

 75%という「分配率」は、あえてたとえれば競馬の還元率とほぼ同じです。けっして高いとは思えません。ところが、大手保険会社の死亡保険では50%程度と試算されているものもあります。共有財産を作るお金から半分“中抜き”しておいて「相互扶助」を標榜するのは随分な話だと感じます。

 そもそもほとんどの生保では保険料の内訳が開示されていません。「皆で助け合う仕組み」に参加する際、どれだけの維持費がかかるのか、一切不明なまま「安心料」と納得するのはおかしいでしょう。

※後田亨・大江英樹/著『生命保険の嘘』(小学館刊)より