タイでは欠かせない交通手段のひとつ「トゥクトゥク(三輪自動車)」【写真提供:トゥクトゥクで最も長い距離を走破したとして2009 年ギネスブック認定されたドイツ人、ダニエル・スネイダー&スージー・ベンセンさん。タイからドイツまでの走行距離3万7410キロ】

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タイの街を歩けば必ず目にする三輪自動車「トゥクトゥク」。その原型は日本車? 高度経済成長時代の日本とタイとの関係は? バンコク発ビジネス・生活情報誌『DACO』編集部が、タイの交通手段のひとつ「トゥクトゥク」の歴史に迫ります。 

 トゥクトゥクの名前の由来は、その排気音から外国人旅行者が言い広めたらしい。現在生産されているトゥクトゥクは4サイクルエンジンで、それは小型トラックのような排気音だが、今も現役で街を走る初期の2サイクルエンジンは、なるほどトロロン、トントントン、タンタンタンという小気味よい音がする。このエンジンは大半が日本製、そしてそのボディも日本車に原型があるのだとか。

 いつ、どんな日本車が海を越えタイまで運ばれてきたのか? 今回は知られざるトゥクトゥクの世界に踏み込んでいきたい。

はるばる海を渡った日本の三輪トラックたち

 まずはトゥクトゥクの正体を定めるために、「高度成長期の日本と車・エンジン開発年表」を作成してみた。正確な資料が入手できない部分もあったので、そこは当時の関係者の証言で補った。しかし関係者は「うーん、だいたいこの頃だな、いや待てよ」というノリなので不確かな部分もある。そのへんは年表内で「……と思われる」と表現している。また、年表内で推論も展開している。

 このあたりを含みおきいただいたうえで、お楽しみいただければ。でも、突然深い話になったり、年表の行間に政治臭を忍ばせていますのでお気をつけください。

【1957年】
日本で三輪トラック、ダイハツ・ミゼットDK型発売開始。エンジンは2サイクル250CCのZA型を搭載。

【1958年】
東京タワー完成。映画『Always三丁目の夕日』の時代背景。

【1959年】
日本で三輪トラック、マツダ・K360とダイハツ・ミゼットMP型発売開始。

【1960年】
日本からタイへ三輪トラックの輸出が始まる。バンコクのクロントゥーイ港に上陸した初の三輪トラックはダイハツ・ミゼットDK型30数台。タイでは「サムロー・クルアン(三輪エンジン)」と呼ばれ、当時の商業の中心であったヤワラート(中華街)を中心に需要が広がってゆく。その後、MP4型も輸入され、当時景気が上向いていたトラン県とアユタヤ県に送られる。

これらの「輸入車」には、ダイハツエンジン「ZA(2サイクル・250CC)」「ZD(2サイクル・309CC)が搭載されていた。マツダ・K360のほか、日野、三菱のオート三輪も輸入されたらしい(並行輸入かもしれません。未確認)。

三輪トラックの荷台の部分に屋根と座席をつけた改造三輪トラックが自然発生的に現れる。

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