2014年注目のアスリートたち(9)

 昨年7月、マレーシアで開催されたアジアユースU19選手権女子シングルスに高校2年生で出場した大堀彩。そこで見事日本人初の優勝を果たした期待の選手だ。

 父・均さんは大堀が所属する福島県富岡高校バドミントン部の監督で、母・麻紀さんも実業団で活躍していたバドミントン選手というバドミントン一家。その環境もあって、幼いころから自然とバドミントンに触れてきたという。

 その力は小学生のころから垣間見えた。小5のときに全国小学生選手権で優勝し、中3では全国中学校選手権を制した。

 ただ、ここまで順調に強くなってきた大堀にも強力なライバルがいる。1学年下の山口茜(福井県勝山高)だ。高1の2012年10月に出場した世界ジュニア選手権千葉大会で、当時中学生だった山口と準決勝で対戦。ファイナルゲームまでもつれ込んだが、最後は振り切られて敗北を喫した。その大会で銅メダルを獲得はしたが、2学年上で優勝した奥原希望と山口の決勝を見守った。

 2013年7月に優勝したアジアユースでは、「昨年の世界ジュニア3位で自信がついた。今回の優勝をステップに、今年は(世界ジュニアで)優勝を狙いたい」と話し、このあとに行なわれたインターハイでは3位だったが、9月13日からの全日本ジュニアでは見事、インターハイ優勝者の山口を2対0で破ったのだ。

 ところが今度は山口がその敗戦から一気に加速した。

 全日本ジュニアの翌日から始まったヨネックスジャパンオープンに出場した山口は予選から勝ち上がると、2回戦では世界選手権3位のシンディ・P・V(インド)を破って勢いに乗った。

 そして実業団選手である打田しづか(日本ユニシス)との対戦になった決勝でも、落ち着いたプレイで相手を寄せつけなかった。結果は、世界最高峰のスーパーシリーズで、16歳という大会史上最年少優勝を果たしたのだ。

 それに対して大堀も、9月24日からロシア・ウラジオストックで開催されたロシアオープンに出場すると、ロシア選手を相手に1ゲームも落とさず、シニアの国際大会での初優勝を果たした。

 そして迎えた10月23日からの世界ジュニア。互いに「決勝は日本人対決になる」と予想していたという二人は、その思い通りに決勝で再び対決となった。

 心して臨んだ試合だったが、第1ゲームを21対11で取った山口は、第2ゲームも21対13で取り、優勝を決めた。

 山口は昨年の準優勝から優勝へ、大堀も3位から準優勝へとアップし、お互いに昨年より力をつけたことは間違いなかった。

 大堀は「決勝を日本人対決にするところまではできたが、最後負けたのは自分の方が弱かったから。これからはどんな大会に出ても、(山口とは)互いに最後まで勝ち上がっていけば当たると思うので、切磋琢磨し合ってレベルアップしていきたい」と話した。

 同世代の中では突出した技術力を持っていると高く評価されている大堀。課題はパワーと精神面の強化だ。世界ジュニア女王である奥原や山口と切磋琢磨することで成長し、次世代の日本女子を引っ張っていく選手になることを期待されている。

 2月16日からは台湾で始まるアジアユースU19に山口、大堀ともに参加することが決まっており、ここでの活躍に注目したい。

折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi