安倍晋三政権は減税などで企業の負担を軽くし、その分を国民に押し付ける方向性を明確に打ち出した。負担増のポイントについて「家計の見直し相談センター」のファイナンシャルプランナー、藤川太氏がこう説明する。

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 最初に言っておきたいのは、今回の負担増は文字どおり「けた違い」だということです。どれだけ負担が重くなるかを試算したところ、これまでは年間で数万円でしたが、今回は月に数万円です。家計を「崩壊」から救うには、すでに何度も絞ったぞうきんをさらに絞るように引き締めなくてはいけません。

 具体的には、三つの側面で負担が重くなります。

[1]増税
[2]インフレ
[3]社会保障の縮小

 まず増税については、消費税の税率が4月に8%となります。さらに来年10月には10%に引き上げると法律で決まっています。2度目の増税をするかどうか、安倍首相は「(8%増税後の)7〜9月に景気が戻ってきたのかどうかの数値が出た段階で判断したい」と言ってはいますが、いまから覚悟はしておいたほうがいいでしょう。

 さらに所得税では、会社員の必要経費として税額から引ける給与所得控除の枠が小さくなります。これは収入に応じて増えていくもので、いま上限は年収1500万円以上の245万円ですが、2016年には年収1200万円超の230万円に、17年には年収1千万円超の220万円と縮小されます。

 それ以外にも相続税は15年1月に最高税率の引き上げや基礎控除の縮小があり、軽自動車税も15年4月には1.5倍に増税されます。

 負担増の二つ目、インフレは、日本銀行の黒田東彦(はるひこ)総裁が1月16日、「日本経済は2%の『物価安定の目標』の実現に向けた道筋を順調にたどっている」と話し、いまの政策で15年近く続いたデフレからの脱却に導けるとの考えを表明しています。このとおりになれば商品やサービスの値段が年2%ずつ上がっていくので、今年100円ならば来年は102円、再来年は104.04円……となります。

 三つ目の社会保障については多岐にわたります。昨年12月に成立した「社会保障プログラム法」で、医療や介護などについて17年度までの制度変更の手順が決まりました。

 このなかには、病院の窓口で支払う医療費の自己負担割合が70〜74歳で1割から2割に引き上げられることが盛り込まれています。

「現役世代」と「年金世代」の負担増は、いったいどれぐらいになるのか。詳しくは本誌で紹介しています。

週刊朝日 2014年1月31日号