【うちの本棚】197回 怪奇大作戦/影丸穣也、中条けんたろう

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「うちの本棚」、今回は影丸穣也、中条けんたろうによるコミカライズ版『怪奇大作戦』を取り上げます。
 桑田次郎版とはまた違う、テレビドラマに忠実なコミカライズは、映像作品とシンクロするものです。

【関連:196回 怪奇大作戦/桑田次郎】

怪奇大作戦−影丸・中城


 本作は円谷プロ制作の特撮テレビドラマ『怪奇大作戦』のコミカライズ作品である。
 本作のコミカライズは複数あり、集英社「少年ブック」に連載された桑田次郎によるものが、唯一単行本化されていたが、2005年になって、ようやく「少年キング」に連載された、影丸穣也、中条けんたろうによるコミカライズも「マンガショップシリーズ」から単行本化された。ほかにも、小学館の学年誌に連載されたものがある。
「少年キング」連載のものは、前半4話までが影丸穣也、後半4話を中条けんたろうが担当していたが、この作画担当の交代が単行本化されなかった理由なのかもしれない。「マンガショップシリーズ」版では中条けんたろう担当部分は、原稿紛失により印刷物からの復刻になっているとのことで、これも単行本化さなかった原因だろう。
 影丸、中条ふたりのコミカライズ版は桑田次郎のものと比べると、テレビドラマのシナリオに沿った内容で、1話につき3回ほどの連載数で描かれている。読み切りでテレビドラマの内容をダイジェストにまとめるということをしなかったことから、1話の読みごたえは十分にあり、単行本化されてこなかったのが不思議なくらいである。
 個人的には影丸穣也によるコミカライズが面白く読めた。性格の違う牧と三沢というふたりの登場人物をうまく対比させながら、事件の真相に迫っていくという、テレビドラマの本質的なところも描かれている。
 ちなみにドラマのサウンドトラックCDを聞きながら読んだのだが、実にいい感じで読むテンポと音楽がマッチしてくれて、映像作品とコミカライズが頭の中で融合してくれた。

初出:少年画報社「少年キング」昭和43年37号〜昭和44年10号

書 名/怪奇大作戦
著者名/影丸穣也、中条けんたろう
出版元/パンローリング
判 型/B6判
定 価/1890円
シリーズ名/マンガショップシリーズ
初版発行日/2005年6月4日
収録作品/影丸穣也・人喰い蛾、恐怖の電話、光る通り魔、死を呼ぶ電波、中条けんたろう・氷の死刑台、幻の死神、かまいたち、果てしなき暴走

(文:猫目ユウ / http://suzukaze-ya.jimdo.com/)