あまり馴染みのない仕事である「編纂者」は、国語辞典を作る仕事。日本語学を専攻するごく限られた研究者が就くことのできる職業で、映画化もされた小説『舟を編む』で描かれたことから、記憶に新しい人もいるかもしれません。

総語数が約82,000語である国語辞典『三省堂国語辞典』第7版では、新しい言葉が約4000個も追加されました。多岐にわたる改訂作業の中心となるのは、「旧版にない新規項目を増補すること」と「旧版の項目に手入れし、語釈(ことばの説明)を新しくすること」の2点。新規項目は、辞書が出た時の宣伝材料になるため、とりわけ注目度の高いものとなっています。

国語辞典は、いったいどこから言葉を集めているのでしょうか。そのような疑問に答えているのが、書籍『辞書に載る言葉はどこから探してくるのか?』の著者で、『三省堂国語辞典』の編集委員でもある飯間浩明氏です。

飯間氏は、普段どのような作業を行っているのでしょうか。

「私の場合、まず、新聞・雑誌・書籍などを一行一行くまなく読んでいきます。"これは"ということばを見つけたら、その箇所に丸を書き入れます。テレビ番組を視聴するときは必ず録画し、注意を引くことばに出会ったら、リモコンのチャプターボタンを押して印をしておきます。こうして採集したことばは、前後の文脈や出典、日付などの情報とともに、後でまとめてパソコンに入力します」(飯間氏)

そうやって集めたデータは、1か月で400語前後。改訂作業が本格化する時期までには、約1万数千語にもなるそうです。他の編纂メンバーも同様にことばを集めているので、それらを合わせるとかなりの数になります。改訂の規模によって項目数が増減するものの、そこから取捨選択を繰り返すことで、最終的には新語4,000項目が選出されます。

「リフレ」「ふわとろ」「ガチ」「肉食」「まるっと」などの新語が収録されている、最新版の国語辞典。その裏側には、常に変化する日本語と共に生きる編纂者たちの努力がありました。



『辞書に載る言葉はどこから探してくるのか?ワードハンティングの現場から (ディスカヴァー携書)』
 著者:飯間 浩明
 出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン
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