日本株の動向を左右する外国人投資家の関心はいまやアベノミクス第三の矢である「成長戦略」に向けられている。とりわけ、『国家戦略特区』についての関心は高い。外国人投資家の動向について詳しいパルナッソス・インベストメント・ストラテジーズ代表取の宮島秀直氏がその投資戦略について解説する。

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 アベノミクスの第三の矢について、外国人投資家の評価は、失望の方が大きかったことは否定できない。しかし、そのマイナスを埋めたのが2020年の東京五輪の招致である。ある欧州の重鎮ファンドマネージャーは、次のように評価する。

「過去の経験則から、日本のような経済の成熟国でも、五輪の招致に成功した後の3年間は毎年GDPでプラス2.5%の上乗せ効果が出る。その3年間は株価も平均15%上昇している」

 招致が成功していなかったら、日経平均株価は大きく下落していた可能性があった。

 招致により不動産市場のセンチメントも一変しているが、外国人投資家の見方も強気に傾いている。中東でベスト3に入る政府系ファンド(SWF)の運用スタッフは、ミーティングの際に、私に東京・丸の内の地図を見せてくれた。そこには、不動産会社別にオフィスビルが色分けされており、詳細な分析が加えられていた。そして、私に、「今、アジアの中心地で最も割安なのが東京都心エリアだ」と語った。

 その事実からわかるように、一部の外国人投資家は不動産セクターを有望視している。企業としては、三菱地所、三井不動産が本命で、両社の関連会社が運営するREIT(不動産投資信託)にも触手を伸ばしているようだ。

 加えて、東京五輪との関係で注目されているのは住友不動産だ。東京五輪ではお台場に選手村が設置される予定だが、メーンスタジアムとなる国立競技場までの選手移動について、すでにIOC(国際オリンピック委員会)からスムーズにできるようにと、注文が付けられている。移動で通過することになる首都高速の芝浦・浜崎橋ジャンクションは超渋滞ポイントだからだ。

 移動でその渋滞を回避するためには、新たな動線を引かねばならない。そこで有力視されているのは品川〜田町間のエリア。お台場から国立競技場までの最短ルートは、この地域を通過することになるからだ。

 すでに、JR東日本が新駅の設置を含めた再開発を始めようとしており、それに合わせて何らかの動線が引かれる可能性が浮上している。となれば、すでにこの地区でオフィスビルなどさまざまな開発を手がけている住友不動産が、関連銘柄として浮上するのである。

※マネーポスト2014年新春号