[其ノ二 FX 投資戦略編]米ドル/円の買い 米国政府混乱による円高は押し目買い!
米ドル/円が103円台まで上昇。5月の高値は通過点で、105円を目指す円安展開になりそうだ。

米国の10年国債利回り3%への上昇とともに円安圧力も増す展開

米ドル/円は、2013年11月からようやく上昇(円安)トレンドに戻りつつあります。2014年は、少なくとも季節的に上昇しやすい3月までは上昇基調が続くとみられ、押し目を拾って高値更新を目指す展開となるでしょう。

材料的にも、雇用統計をはじめとする米国経済指標が市場予想を大きく下回らない限り、遅くとも3月のFOMC(連邦公開市場委員会)で量的緩和の縮小開始が決定される可能性が高いでしょう。

仮に1月に見送られたとしても、3月の開始期待が残るためドル売りは限定的となり、米国の10年国債利回りの3%超への上昇とともに米ドル/円は105円に向けた上昇傾向が続きやすいでしょう。

リスクシナリオは、1月15日に再び米国で今年度暫定予算の期限が切れ、議会で交渉が行なわれることです。この議論はその後の2月7日に到来するとされる連邦政府債務上限の引き上げ交渉と併せて行なわれる可能性もあり、2月に入ってからのほうが注目度は高いかもしれません。

2013年の10月前半に1996年以来の政府機関一部閉鎖を引き起こし、その主因とされる共和党は大きく支持率を下げたため、今回は同様の瀬戸際戦略をとる可能性は低いでしょう。ただし、民主党側も支持率を下げ、オバマ大統領も社会保障制度関連で支持率が下がっていることから、共和党が強気姿勢をとるリスクは残っています。

ただこの場合も、結果として解決されるべき事案であるため、ドルが下落する局面は押し目買いの好機といえます。

日本は4月の消費増税に絡み、日銀の追加緩和期待がくすぶりますが、増税前は駆け込み需要から成長率は一時的に高まりやすいため、増税の悪影響を見極めるのは年央。あえて言えば、CPI(消費者物価指数)の上昇率が前年比1%を超えるようだと追加的な円売り圧力となるかもしれません。ただし、日銀が設定した2年後のインフレ率2%達成の可能性が高まると、逆に緩和期待は後退します。このため、日本のCPIが一方向に円相場を動かす材料とはなりにくいでしょう。

1月のFX天下分け目スケジュール

1位 29日(水)米国・FOMC 金融政策決定
為替への影響:円安

2位 10日(金)米国・12月の雇用統計
為替への影響:円安

3位 15日(水)米国・連邦政府暫定予算の期限切れ
為替への影響:円高

4位 7日(火)ユーロ圏・12月のHICP(消費者物価指数)
為替への影響:円安

5位 9日(木)ユーロ圏・ECB(欧州中央銀行)金融政策決定
為替への影響:円高

6位 14日(火)英国・12月のCPI
為替への影響:円安

7位 28日(火)英国・第4四半期GDP
為替への影響:円安

8位 14〜17日 中国・第4四半期GDP
為替への影響:円高

9位 22日(水)豪州・第4四半期CPI
為替への影響:円安

10位 30日(木)NZ・RBNZ(NZ準備銀行)金融政策決定
為替への影響:円高

※上記スケジュールは予定で、変更になる場合があります。

一刀両断!1月の為替レンジ

米ドル/円
レンジ:101〜106円
トレンド:円安
現在地:102.9円

ユーロ/円
レンジ:130〜142円
トレンド:円高
現在地:139.0円

豪ドル/円
レンジ:88〜96円
トレンド:円高
現在地:93.6円

NZドル/円
レンジ:77〜86円
トレンド:円高
現在地:85.2円

英ポンド/円
レンジ:163〜173円
トレンド:円安
現在地:168.2円

南アランド/円
レンジ:9.4〜10.4円
トレンド:中立
現在地:9.9円

※現在値は2013年11月6日現在。

【今月の先読み軍師】
山本雅文(MASAFUMI YAMAMOTO)
プレビデンティア・ストラテジー 外為ストラテジスト

日本銀行で10年間、外為取引や調査に従事した後、RBS、バークレイズなどでチーフFXストラテジストを務め、2013年8月、外為市場調査を行なうプレビデンティア・ストラテジー設立。デイリーとウィークリーで外為戦略レポートを執筆、配信している。http://praevidentia.com



この記事は「WEBネットマネー2014年2月号」に掲載されたものです。