カレーやハンバーグといえば、子どもの大好物の代名詞。しかし、そのような「子どもの定番料理」は、もう過去のものかもしれません。

素材や調理法など、食にお金をかけることをいとわない家庭が増える一方、安全よりも安さと量を重視する"食のレベルが低い"家庭も増えるなど、食の世界では"二極化"が進んでいます。食への価値観が二極化する現代の「食」について、フードジャーナリストの畑中三応子さんは、「ファッションフードに心を揺さぶられない時代になった」と分析しています。

ファッションフードとは、"ブームとしての食"のこと。全世代の日本人が食いつき、共通の話題としていた食のことで、バブル期のティラミスやナタデココ、イタメシ。最近では、手軽なスナックとしてのからあげや、ハワイアンパンケーキなどが、それにあたります。

しかし、現代では皆が飛びつくような「ファッションフード」が減りつつあるというのです。書籍『フード左翼とフード右翼 食で分断される日本人』では、その理由が解説されています。

「例えば、メガマックやメガ牛丼といった、『メガフード』が流行ったかと思えば、『スローフード』や『マクロビオティック』が流行る。ただし、これらはかつての『ティラミス』のように女子高生から新橋のサラリーマンまで、ありとあらゆる日本人が話題にし、もてはやすような流行ではなくなっている。消費社会的な『食』の在り方が行き着く最先端は、自然志向、健康志向の『地産地消』『スローフード』的な方向と『メガマック』『メガ牛丼』といった『下流』に向かう方向との二極化だ」

メガフードにはまった人が、次にマクロビオティックにはまることはありえません。彼らは異なった価値観のもと、自分のスタイルで「食」と向き合っているのです。幼少期から食の嗜好の二極化が進む時代ですから、この傾向はより顕著になっていくことでしょう。

価値観の多様化がもたらす、食の二極化。一家全員が楽しむファッションフードの時代は、どうやら終わりを迎えているようです。



『フード左翼とフード右翼 食で分断される日本人 (朝日新書)』
 著者:速水健朗
 出版社:朝日新聞出版
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