第90回東京箱根間往復大学駅伝競走(読売新聞社共催)は、東洋大学の2年ぶりの優勝で幕を閉じた。往復路全10区のうち、3、5、7、8、10区の5つで『区間賞』を獲得。『最優秀選手』(金栗杯)もアンカーの大津顕杜選手が選ばれ、まさに圧倒的勝利だった。しかし駅伝は、オリンピックという視点では語れないようである。

 大会を中継した日本テレビは、「東京五輪の年、出場選手たちは20代後半。アスリートとしてピークを迎え…」と、五輪への期待を煽る実況をしていたが、“東洋大学=駅伝強者”のイメージを定着させたOBの柏原竜二(24=富士通)でさえ、マラソンでは覚醒していない。

 駅伝の猛者がマラソンで通用しない理由は一つ、駅伝が特殊すぎるからだという。駅伝の区間の約20キロと42.195キロとでは、心拍的な違いもある。また、山間を含む上り坂の走り方は、マラソンランナーの成長には直結しないとの理論も諸外国で伝えられている。
 「まだ仮説の段階ですが、“駅伝選手はマラソンで通用しない”と世界は見ています。日本独自というか、世界的な競技の広がりを見せていない。でも、日本人は駅伝を好み、若い長距離ランナーも箱根への憧れを抱き、大学でマラソンよりも駅伝に重点を置いた練習をする。近年、男子マラソンでメダルを狙える選手が現れないのは、その影響でしょう」(五輪担当のライター)

 駅伝とマラソンは別競技というのが、世界の認識。「長距離界のガラパゴス」とも言われているという。

 東京五輪では観客数増加のため、競技種目を増やす案も検討されている。野球やソフトボールがその候補らしいが、いっそ開き直って、日本の伝統芸を見せつける意味でも駅伝を加えてみてはいかがだろうか。