株価の織り込み速度は遅いほうが長期保有向き!
ジャスダック、東証2部の高配当・好業績株を長期保有

金融ジャーナリストの岡村友哉さんは「最近、株価が好材料を織り込むスピードが極端に速くなった」と感じている。特に顕著なのは、東証1部の主力株や新興市場マザーズの人気IT株だ。

「今秋の中間決算でも好決算を発表したものの、翌日買われてすぐ終わりという銘柄がほとんどでした。そんな株をNISAで買ってしまうと、短期で売り急ぐ結果になりがち。せっかく5年間も非課税枠が使えるのに、一瞬にして貴重な枠を失ってしまう可能性大です」

また、そんな事情を知らずに好決算=買いで飛びつくと、思わぬ高値つかみをしてしまう危険性が高い。

「NISAにとって理想的なのは、日々の上昇率はわずかでも、株価が5年間、右肩上がりで上昇し続けるような株。長期保有すれば、値上がり益だけでなく、毎年の配当収入に対する税金も払わなくて済みますから」

岡村さんが注目するのは、東証2部やジャスダックに眠る割安株や成長株。

「東証1部の主力株が乱高下を繰り返しやすいのは、海外発のニュースや短期売買に走る外国人投資家、デイトレーダーの影響を受けやすいから。その点、指数先物が存在しない東証2部やジャスダック銘柄の値動きは非常に穏やか。好決算を発表した日の上昇率がたったの1%というケースも珍しくなく、好材料をじっくり時間をかけて織り込む傾向が強い。爐△里箸買っておけば……〞と後悔した後に買っても、まだ間に合うのです」

「うさぎと亀」のたとえで言うなら、まさに亀。実際、ここ5年間の騰落率を見ると、東証2部指数75%高、ジャスダック指数76%高に対してTOPIXは45%高にすぎない。2013年以前の下げ相場でも東証2部指数32%安、ジャスダック指数22%安に対しTOPIXは49%も下落した。

そこで岡村さんには、東証2部とジャスダックの中小型株を「安定か、成長か」の2タイプで選別してもらった。

「安定性重視のバスケットには、配当利回りが破格の4・3%に達する日本パワーファスニングなど、高配当利回りで倒産リスクの少ない銘柄がめじろ押しです」

成長性重視のバスケットではEPS(1株当たり利益)の伸び率を重視。

「地質調査会社のキタックはここ2年、1株利益が50〜100%増なのに、株価がそれに追いついていません。利益先行で株価がじっくり好業績を織り込んでいくので安心保有できます」

NISA口座はウサギより亀の気分でなが〜く成長する株に投資すべし!

東2・JQ高配当利回り&割安株500円バスケット10

●光ビジネスフォーム(JQ・3948)
498円(1000株)
単元株ならいくらで買える?:49万8000円
配当利回り:3.61%
PER:12.5倍
PBR:0.44倍
決算月:12月

金融機関向けに顧客のデータ管理や帳票サービスを展開。2013年12月期の営業利益を4.2億円に上方修正するなど好調だ。財務も超優良。

●ナビタス(JQ・6276)
377円(1000株)
単元株ならいくらで買える?:37万7000円
配当利回り:3.97%
PER:12.4倍
PBR:0.56倍
決算月:3月

デジカメや自動車向け特殊印刷や印刷機製造を手がける。有利子負債ゼロで、利益剰余金21億円に対して現預金16億円というお金持ち企業。

●東海リース(東2・9761)
180円(1000株)
単元株ならいくらで買える?:18万円
配当利回り:3.88%
PER:20.2倍
PBR:0.43倍
決算月:3月

建設現場向けプレハブリース専業。公共投資増加の追い風が吹いているが株価は動意薄。1部上場リース会社に比べると信じられないほど割安。

●日本パワーファスニング(東2・5950)
231円(1000株)
単元株ならいくらで買える?:23万1000円
配当利回り:4.32%
PER:24.6倍
PBR:0.92倍
決算月:12月

建築用のネジやピン、ファスナーを製造。国内は住宅市場活況で好調が続く。中国展開にも積極的で株価はジワリと長期上昇モードに突入。

●アルメタックス(東2・5928)
321円(500株)
単元株ならいくらで買える?:16万500円
配当利回り:3.73%
PER:10.6倍
PBR:0.47倍
決算月:3月

積水ハウスや旭化成が顧客の住宅用アルミ建材メーカー。無借金経営で自己資本比率77%。消費増税後も住宅ローン減税で需要は高止まりか。

●セフテック(JQ・7464)
343円(1000株)
単元株ならいくらで買える?:34万3000円
配当利回り:3.49%
PER:11.7倍
PBR:0.49倍
決算月:3月

道路標識、安全機材など工事保安用品メーカー。橋梁補修など公共事業の好調が材料。ただ株価の反応は鈍く、長期的な上昇余地が豊富。

●日本ピグメント(東2・4119)
229円(1000株)
単元株ならいくらで買える?:22万9000円
配当利回り:3.49%
PER:9.0倍
PBR:0.35倍
決算月:3月

スマホや自動車ボディー向け樹脂コーティングや着色剤でトップ。東南アジアなど海外進出に積極的。今期減収予想だが、株価はゆっくり浮上。

●ナガホリ(東2・8139)
283円(100株)
単元株ならいくらで買える?:2万8300円
配当利回り:3.53%
PER:19.7倍
PBR:0.33倍
決算月:3月

宝飾品製造卸の老舗。百貨店の高額品売り上げ急増で業績は好調。消費増税後が心配だが、株価の上昇は緩やかなので急落はなさそう。

●ヒガシトゥエンティワン(東2・9029)
500円(100株)
単元株ならいくらで買える?:5万円
配当利回り:3.40%
PER:7.9倍
PBR:0.52倍
決算月:3月

関西電力、日本生命が大株主の運送会社で、貸倉庫や福祉器具レンタルも手がける。地道なコストカットで業績は堅調だが、株価は横ばい。

●三精輸送機(東2・6357)
429円(100株)
単元株ならいくらで買える?:4万2900円
配当利回り:3.26%
PER:16.5倍
PBR:0.35倍
決算月:3月

遊戯機械・舞台装置製造の関西企業。一時はハゲタカファンドに狙われたほどの高財務だ。割安お宝株はこうした地方本社の企業に多い。

※三精輸送機は、2014年1月1日付で「三精テクノロジーズ」に社名変更。

東2・JQ純利益最大5倍の急成長 500円バスケット10

●日本精密(JQ・7771)
138円(1000株)
単元株ならいくらで買える?:13万8000円
配当利回り:―
PER:12.1倍
PBR:1.32倍
決算月:3月

時計バンドで世界有数、メガネのフレームも手がける。今期の増収増益&増配が確実。株価は急騰グセがあるが、業績もよく下値不安は小さい。

●エイケン工業(JQ・7265)
430円(1000株)
単元株ならいくらで買える?:43万円
配当利回り:2.79%
PER:19.1倍
PBR:0.87倍
決算月:10月

自動車のオイルフィルターで高シェア。自己資本比率70%の高財務と安定した収益力を持続している。出来高が少ないので指値買いで。

●やまねメディカル(JQ・2144)
333円(100株)
単元株ならいくらで買える?:3万3300円
配当利回り:0.90%
PER:44.4倍
PBR:2.50倍
決算月:3月

介護ビジネスを展開。同業でマザーズのN・フィールドは赤字経営で時価総額800億円。対して同社は安定黒字で40億円と過小評価されすぎ。

●ケアネット(東マ・2150)
461円(100株)
単元株ならいくらで買える?:4万6100円
配当利回り:1.30%
PER:23.6倍
PBR:2.66倍
決算月:3月

医師向けに医薬品情報のネット配信や転職支援を行なう。前期に黒字転換して今期も増益予想。EPSの伸び率から見てPER23倍は割安。

●平賀(JQ・7863)
353円(100株)
単元株ならいくらで買える?:3万5300円
配当利回り:2.26%
PER:3.1倍
PBR:0.97倍
決算月:3月

新聞折り込みチラシの専業印刷会社。消費増税前の駆け込み需要を狙った家電、自動車チラシ増に期待。非成長業種だがPER3倍は破格。

●エリアリンク(東マ・8914)
128円(100株)
単元株ならいくらで買える?:1万2800円
配当利回り:1.95%
PER:13.4倍
PBR:1.37倍
決算月:12月

トランクルームのレンタルを行ない、不動産流動化サービスも展開。今期EPSは27%増と急成長。業績に対して株価の出遅れ感が顕著だ。

●キタック(JQ・4707)
261円(100株)
単元株ならいくらで買える?:2万6100円
配当利回り:1.91%
PER:25.9倍
PBR:0.84倍
決算月:10月20日

新潟地盤の地質調査・土木設計会社。災害関連の公共事業比率が高く、アベノミクスの財政出動もあって業績は好調。株価に急騰グセあり。

●インタートレード(東マ・3747)
315円(100株)
単元株ならいくらで買える?:3万1500円
配当利回り:0.95%
PER:13.0倍
PBR:1.04倍
決算月:9月

証券・FXシステムの開発・保守が主力。IT分野の進出に失敗して前2013年9月期は大幅赤字転落。株価は今期のV字回復を織り込んでいない。

●プラコー(JQ・6347)
58円(1000株)
単元株ならいくらで買える?:5万8000円
配当利回り:―
PER:15.4倍
PBR:6.81倍
決算月:3月

プラスチック成形機の製造メーカー。今中間期の純利益を下方修正したが、通期予想は変更せず。純利益が前期比5倍予想でも株価の伸びは鈍い。

●アドアーズ(JQ・4712)
207円(1000株)
単元株ならいくらで買える?:20万7000円
配当利回り:0.96%
PER:48.0倍
PBR:2.68倍
決算月:3月

コインゲーム、パチスロなど遊戯店展開。買収した不動産事業の収益上乗せで今期純利益は4.2倍増だが、株価は2倍強で停滞。再浮上開始へ。

岡村友哉(おかむら・ゆうや)
金融ジャーナリスト

証券会社、金融情報会社のアナリストを経て、日経CNBC経済解説部コメンテーターとして日々テレビ出演。日経225先物市場やヘッジファンドの動向に精通。大口海外投資家の動きを察知したうえでの相場分析、銘柄選別に定評あり。



この記事は「WEBネットマネー2014年2月号」に掲載されたものです。