[其ノ一 株ファンダ編]「アベノミクス1年目」で起こった謎の半年サイクル
牋打楞蠑〞もセカンドステージに突入。「異次元緩和」のようなバズーカ砲並みの発表はないため米国頼みの相場展開となっているが、1年目の株価の動きを振り返ると、ある作戦が見えてきた。

セカンドシーズンの幕開けは、外国人の買越額が史上最大!

2012年11月14日に始まったアベノミクス相場。この相場の1年間を振り返ると、前半と後半で景色が全然違いましたね。前半はリスクオン全開の激熱モード、後半は完全なボックス相場(いつもの日本株クオリティー)といったところでしょうか。

日経平均株価がアベノミクス相場爍閏目〞の最高値をつけたのが2013年5月23日。ほぼ半年の局面ですが、個人投資家がメインの東証マザーズ市場を見てみると、この指数の年初来高値は5月14日。アベノミクス相場の開始から爛献礇好犯焦〞なのです。奇妙な偶然ですが、前半に全市場で最も上昇したガンホー・オンライン・エンターテイメントの高値も5月14日でした。

猗焦サイクル〞の存在、これがアベノミクス相場1周目のラストで炸裂しました。2013年11月14日、日経平均は前日比で309円高、2周目の初日である11月15日には289円高!

狙ったかのように「1万5000円の壁」をブレイクし、海外ドラマにありがちな「アベノミクス相場〜セカンドシーズン」なる新番組(?)が始まったのです。

11月第2週を合計すると、日経平均はアベノミクス相場で最大の週間上昇率を記録しました。しかもこの週は、外国人投資家が現物と先物を合わせて約1兆1700億円もの買い越し。史上最大でした。恐るべし半年サイクル……。単なる偶然ではなく、ヘッジファンドの半期ごとの決算の時期だったことも、影響しているのかもしれません。

もうひとつ、アベノミクス相場と切っても切り離せないのが個人投資家の存在です。2013年1月から信用取引の猝妓促襦璽〞が可能になって注文量が増大しました。個人投資家の注文のうち、約7割は信用取引によるものです(主要ネット証券6社による10月の総売買代金で試算)。この構図から、半年サイクルによってパフォーマンスの明暗が分かれる傾向も透けて見えてきます。

アベノミクス相場1年目における個別株のパフォーマンスを前半と後半に分けてみると、前半に最も上昇率が高かったのが先ほどのガンホー。2〜5位も中小型株が並びましたが、上位5銘柄のすべてが後半に暴落しています。信用取引も典型的な「仮需(反対売買を前提にする売買)」だったようで、返済期限の6カ月以内に反対売買が進んだ結果でしょう。

この半年サイクルをヒントにしてはいかがでしょうか。後半に急騰した銘柄(ビリングシステムなど)を避けつつ、次の半年サイクルの絶頂期が想定される2013年6〜7月高値銘柄を狙うといった考え方です。

●アベノミクス前半の上昇率トップ5、後半は超下落…

1位 ガンホー・オンライン・エンタテイメント(JQ・3765)
【前半】の騰落率:24.8倍
【後半】の騰落率:−61.1%
現在株価:7万6200円

2位 デ・ウエスタン・セラピテクス研究所(JQ・4576)
【前半】の騰落率:20.8倍
【後半】の騰落率:−64.0%
現在株価:971円

3位 T&Cホールディングス(JQ・3832)
【前半】の騰落率:11.6倍
【後半】の騰落率:−60.5%
現在株価:266円

4位 エリアクエスト(東マ・8912)
【前半】の騰落率:10.4倍
【後半】の騰落率:−39.9%
現在株価:125円

5位 ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(JQ・7774)
【前半】の騰落率:10.1倍
【後半】の騰落率:−34.1%
現在株価:45万2000円

※アベノミクス前半は2012年11月14日〜2013年5月14日、後半は同5月15日〜11月13日。現在株価は2013年12月9日現在。JQ=ジャスダック、東マ=東証マザーズ。

2013年6〜7月に高値をつけた、信用期日がもうすぐ来る5銘柄

富士重工業(東1・7270)
株価(売買単位):2850円(100株)

7月高値の好業績株。信用高値期日は1月19 日。業績は増額修正含みで、予想PER10 倍台は割安感も十分。

サニックス(東1・4651)
株価(売買単位):1101円(100株)

太陽光発電システムの受注増で業績は急拡大。大発会が信用高値期日。安値圏では中小型ファンドの買い増しも。

ブリヂストン(東1・5108)
株価(売買単位):3795円(100株)

円安の追い風もあり最高益へ。7月高値にかけて膨らんだ買い残が上値の重しに。信用高値期日は1月19 日。

任天堂(東1・7974)
株価(売買単位):1万2770円(100株)

7月24 日の高値形成時に信用買い残が急増。信用高値期日1月24 日の通過後に、再び上値トライの展開か。

ユナイテッド(東マ・2497)
株価(売買単位):3650円(100株)

アプリ「ココッパ」が話題沸騰。7月の高値は9320円、現在は3分の1程度。信用高値期日は1月17 日。

※株価は2013年12月9日現在。PER=株価収益率。東マ=東証マザーズ。

【今月のファンダ師匠】
岡村友哉(YUYA OKAMURA)
金融ジャーナリスト

証券会社の営業、金融情報ベンダーでアナリストを務めた後、現職。日経CNBCでキャスターもこなす。



この記事は「WEBネットマネー2014年2月号」に掲載されたものです。