「ヴァンガード」などの人気カードゲーム事業を展開する一方で新日本プロレスを再生させた人物が、「ブシロード」の木谷高明社長だ。2012年の新日本プロレス買収以前、同社の売り上げは11億4000万円程度だったが、次回決算では25億円が見込まれている。現在、飛ぶ鳥を落とす勢いに見えるが、実は、「最近はカードゲーム不況に陥っている」と告白する。木谷氏に聞いた。

「カードゲームは2005〜2006年の頃は末端マーケットで350億円規模でした。それが2011年頃には1000億円規模にふくれあがっていたんです。当然その反動があるわけで、それで落ちてきたという面はあります。スマホのゲームに客を取られてしまったことも要因でしょう。しかし、十分逆襲が可能です」

──漫画雑誌の創刊もその起爆剤になりそうですか?
「そうです。ヴァンガードを題材としたコミックが豊富に揃った『月刊ブシロード』という漫画誌を2013年9月に創刊しました。プロレス漫画も連載しているのですが、不人気ランキングの1位と2位をプロレス関連が独占しています(苦笑)。プロレスを題材としたコミック『ファイヤーレオン』なんて面白いと思うんだけどなァ。

 この出版不況になぜ? と思うかもしれませんが、漫画誌は広告ツールとして非常に有益なんです。たとえば3万人のユーザーにヴァンガードの情報を届けたい時に、ネットに広告を打つよりも雑誌という形にしたほうがピンポイントで届くんです。ヴァンガードのファンが雑誌を買ってくれるから。雑誌を買えばある程度はジックリと読んでもらえますからね」

──面白い漫画も読めてヴァンガードの情報や特典も付いてきますしね。
「やはりカードゲームはどこまでいってもアナログを大事にしなければいけません。僕が考えるカードゲームの次の軸は“アナログコミュニティエンターテインメント”。カード自体は直にお店で買うんだけど、その後にネットに登録して対戦を、というアナログとデジタルを融合させたハイブリッド型なんかを考えています。カードは手触りや加工がモノをいう。キラキラと光っていたら価値が高そうに見えるでしょ? 所有する気持ち良さがある。カードそのものに価値が付けられるというアナログ面で強みがあるんです。その強みを生かすためのハイブリッド型です」

──カードゲーム不況でも乗り越えられるということですね?
「うちはこれまで効率良く勝ち抜いてきましたから。そもそもカードゲーム業界は当てるのが難しい業界なんです。ムダのない運営で利益を出す。ヴァンガードだけでなく『バディファイト』も好調です。カードゲーム市場はこれからまた盛り上がりますよ」