さんまはエッチ、タモリはネクラ…新語を生み出した天才たち

写真拡大

「今でしょ!」「じぇじぇじぇ」「倍返し」「お・も・て・な・し」。
昨年の『2013 ユーキャン新語・流行語大賞』の流行語年間大賞に選ばれたこれらの言葉は、年が明けてもテレビ番組などで頻繁に見受けられ、その勢いは今後もまだつづきそうです。
同賞は今回が記念すべき30周年ということで、同時期に「新語・流行語30年のトップ10」も発表しましたが、「キャバクラ」や「セクハラ」、「サポーター」など、現在でも一般的に使われている言葉がある一方で、「オヤジギャル」や「同情するなら金をくれ」など、その当時だけ流行ったような言葉もたくさんありました。
新しく誕生しては消えていく言葉の数々。
ふだん私たちが当然のように使っている言葉のなかにも、その時代に活躍した人たちが産んだ造語がありました。

あなたはいくつ知っている?人気タレントが産んだ言葉の数々

●その1:ニューハーフ(桑田佳祐)
いまではテレビで見ない日はないともいえる、ニューハーフや女装家、おネエタレントの皆さん。
この“ニューハーフ”という言葉の名付け親が、じつはサザンオールスターズの桑田佳祐さんです。
大阪・ミナミを代表するニューハーフのベティさんとの対談の席で「自分は男と女のハーフだ」と申告したベティさんに対し「じゃあ、ニューハーフだね」と桑田さんが言ったことが始まりといわれています。

●その2:エッチ(明石家さんま)
“エッチ”の語源は変態(Hentai)の頭文字である“H”が由来とされ、性的な隠語として明治時代から使われていたという説があります。
ただ、現在のようにセックスという行為をマイルドな表現として使うようになったのは1980年代以降といわれ、明石家さんまさんが「セックス」という言葉ではストレート過ぎてテレビで使えないため、「エッチする」と表現したことから広まったといわれています。
また、いまでは当たり前のように使われている“バツイチ”という言葉も、さんまさんが大竹しのぶさんとの離婚会見で、額に☓印を書いて「バツがついた」と発言したことから世間に浸透していったようです。

●その3:ネクラ(タモリ)
ねっから性格が暗いことや、そういう人を表す “ネクラ”という言葉。
表面上は明るくても内面は暗いという意味で、「こう見えて私、根が暗いんです」と、タモリさんがテレビ番組で語ったことから広まったといわれています。
ただし、自由国民社発行の『新語・流行語大全1945→2005』が、「ネクラはタモリさんの造語」と断じている一方で、某ラジオ番組で生まれたとされる説や、ある漫画家がつくった言葉とする説など、諸説あるのも確かです。

●その4:逆ギレ(松本人志)
“逆ギレ”という言葉を収録する国語辞典の数はいまや2桁に達したとされ、一般に浸透している言葉と言っても過言ではありません。
広辞苑では、「それまで叱られたり注意を受けたりしていた人が、逆に怒りだすこと」としています。
松本人志さんが司会を務める『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで』(日本テレビ)において、「これ(逆ギレ)はあきらかに、ぼくが考えた言葉ですからね」と公言しています。

●その5:元カノ(とんねるず)
1990年代に放送された、とんねるず司会のお見合いバラエティー番組『ねる様の踏み絵』(TBS)で生まれたとされる言葉が“元カノ”です。このほかにも、同番組からは“元カレ”や“元サヤ”という造語が誕生しました。
本来、「彼女」という言葉は、明治時代に西洋文化が入ってきたことで、「He」や「She」のように、男女を呼び分けるために生まれた言葉とされています。江戸時代までは男女を問わずに「彼」という表現が使われていたそうです。
そして昭和に入ってから、活動弁士として活躍していた徳川夢声が、「彼」に尊称の「氏」を添えて表現した「彼氏」という言葉をつくったことで、交際相手を意味する「彼氏・彼女」という言葉に発達していったといわれています。

まだまだいるぞ!新語を生み出した天才たち

今回は、テレビで活躍するタレントがつくった言葉や広めた流行語を紹介しましたが、かつては仏教語をもとに“演説”という言葉をつくった福沢諭吉や、英語の「Basket(カゴ)」を「馬穴」という漢字を当てたことで広まった“バケツ”の生みの親である夏目漱石など、さまざまな新語を生み出した天才たちは数多くいるのです。
2014年はどんな新しい言葉が生まれるか注目しましょう。

Written by カタタク
Photo by ケトル VOL.16/太田出版