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説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりが正しく理解していないこともあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「冬になったらバッテリーの減りが早くなりました!?」という質問に答えます。

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北国の実家へ帰省したとき、バッテリーの減りがいつもより早く感じた……気のせいではないかもしれません。スキー場やスケートリンクでも、同じ現象が起きる可能性があります。iPhoneに採用されているリチウムイオンポリマー電池にかぎらず、あらゆる一次/二次電池に同じことがいえます。

それは、温度に応じて電池内部における化学反応(酸化還元反応)のペースが変化するためです。一般的に、電池の使用に最適な温度は20〜30℃程度とされ、それを下回ると化学反応の速度は低下していきます。電池駆動する電子機器は、一定以上の電圧(ゲートしきい値電圧/カットオフ電圧)がなければ正常に動作しませんが、低温時は化学反応ペース低下により電圧降下が速まり、そのぶんカットオフ電圧に到達する時間が短くなります。これが、寒い場所ではバッテリーの減りが早く感じる原因です。

周囲の気温低下による化学反応ペースの低下がそもそもの原因ですから、気温が上昇すればバッテリーパワーは元のレベルに戻ります。実際にエネルギーを消費したわけではなく、残量が減ったように見えているに過ぎませんから、手のひらで覆い暖めるなどすればバッテリー残量は次第に回復します。ただし、急激な温度変化は結露などの問題も引き起こすため、ストーブなど暖房機器の近くに置くことは避けましょう。 スキーやスノーボードなどウインタースポーツに適した季節ですが、いざというときバッテリー低下で慌てることがないよう、iPhoneは体温が伝わりやすい内ポケットに入れておくといいかもしれません。

(海上忍)