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世界同時株高の流れが進んだ。背景には、米国を中心とした世界同時金融緩和がある。

この金融緩和状態が過剰流動性を生み出し、「金融相場」を演出している。

早くも、日経平均株価は1万8000円まで、あるいは2万円まで上昇するとの声も聞こえてくる。

しかしここに来て、ひとつの懸念が生まれている。米国、欧州を筆頭にインフレに陰りが出てきたのだ。

世界の中央銀行の多くが消費者物価指数の上昇率2%前後を金融政策目標に置いている。

米国ではQE3(量的金融緩和第3弾)を継続しているものの、消費者物価上昇率は前年比で2%を割り込み低下している。

欧州各国は程度の差こそあるが、多くの国で消費者物価指数が低下傾向にある。2013年11月7日のECB(欧州中央銀行)理事会でドラギ総裁が予想外の利下げに踏み切ったのは、消費者物価指数の低下に対する予防措置だ。

金融緩和を継続してもインフレ率が上昇しない。しかし、デフレには陥っていない。そんな状態が「ディスインフレ」だ。

アジア各国、韓国、台湾、シンガポール、タイなどではインフレ率のプラス幅が縮小してきており、やはりディスインフレ状態にあるといえるだろう。

では、日本はどうかといえば、デフレ脱却の気配は見えてきているものの、デフレから脱却したという確固たる状況ではない。

むしろ貿易赤字の状況などを見ると、円安が輸出の後押しをしているはずなのに赤字が拡大している。これは、自動車などの産業では輸出数量が伸びているものの、他の輸出産業では為替効果で利益は出ているのに輸出数量が伸びていないことを表している。

つまり、欧米やアジアのディスインフレ状態、日本の状態を見ると、景気が悪化傾向にあるシグナルが出ている可能性がある。

確かに世界同時の金融緩和は金融相場を形成し、株高を招いた。しかし、それは金融緩和によって景気が回復するという将来見通しの下にある。

一方で、金融緩和を行なってもディスインフレが進行し、景気悪化のシグナルが出ているとすれば、景気回復という裏づけを失った株価は上昇し続けられるだろうか。

これからは消費者物価指数を中心とした景気指標に注意深く目を向ける必要がありそうだ。

この記事は「WEBネットマネー2014年2月号」に掲載されたものです。