今や日本株の売買シェアの約6割を占めるといわれる外国人投資家。2013年の日本株上昇相場の牽引役は、紛れもなく彼らである。すでに外国人投資家の間では、「日本株に投資しないことへのリスク」が台頭、2014年もますます日本株への注目度は高まりそうだ。新年相場は、外国人投資家が狙う銘柄に先回りだ。

外国人投資家も注目するカジノ関連銘柄

2014年の通常国会で、いわゆる「カジノ法案」が成立する見通しとなった。すでに自民党総務会で了承され、野党の一部も賛成するとみられているからだ。

そして株式市場では、カジノ関連銘柄がにぎわい始めてきた。今のところ法律で禁じられているカジノが合法化となれば、関連企業に多大なる利益をもたらすと考えられているからだ。一説によると「カジノ解禁」で1兆円の新たな市場が創出され、7兆円の経済波及効果が見込めるという。もちろん、外国人投資家もこの法案には注目している。

だが、関連銘柄といわれるものを無作為に買っても、ハズレを引く場合があるので注意したい。なぜならば、カジノ建設の狆貊〞が決定しておらず、不透明な部分が多いからだ。一応、候補として挙がっているのは、「お台場」「大阪」「シーガイア」「ハウステンボス」など。それぞれメリットを受ける企業が異なり、その点を十分に理解したうえで、銘柄を選択しなければならない。

●黒岩泰さんの注目15銘柄

セガサミーホールディングス(東証1部・6460)
2757円(100株)
PER:15.6倍
PBR:2.15倍
配当利回り:1.45%

すでに韓国・仁川空港近くでカジノ施設の建設に着手しており、宮崎シーガイアを運営するフェニックスリゾートを完全子会社化している。

コナミ(東証1部・9766)
2579円(100株)
PER:23.8倍
PBR:1.64倍
配当利回り:1.31%

海外のカジノ施設向けにスロットマシンを開発・製造。米国カジノホテルチェーンのシーザーズと日本進出に向けて協議に入っている。

日本金銭機械(東証1部・6418)
2099円(100株)
PER:43.2倍
PBR:2.40倍
配当利回り:0.76%

米国でカジノ向け紙幣鑑別機を販売している。ゲームの賭け金の管理を効率化するシステムも開発。従業員による賭け金の横領を防ぐものだ。

グローリー(東証1部・6457)
2762円(100株)
PER:22.3倍
PBR:1.07倍
配当利回り:1.59%

スロットマシンから払い戻しの際に発行されるバーコード付きチケットの精算機を製造・販売。カジノ運営の省人化に貢献している。

オーイズミ(東証1部・6428)
1187円(100株)
PER:24.7倍
PBR:1.97倍
配当利回り:0.58%

パチスロやホール周辺機器での実績あり。メダル自動補給回収システムなど、カジノ運営の効率化の面で活躍の場が広がりそう。

エイチ・アイ・エス(東証1部・9603)
5610円(100株)
PER:19.2倍
PBR:2.56倍
配当利回り:0.60%

長崎県佐世保市にあるオランダ風テーマパーク「ハウステンボス」を経営。その子会社が上海航路で「公海上カジノ」の営業を開始。

マースエンジニアリング(東証1部・6419)
1928円(100株)
PER:10.6倍
PBR:0.92倍
配当利回り:3.11%

パチンコ周辺機器を中心に提供。経営サイドの損益などを瞬時に把握できるホールコンピューターなどで実績。

ユニバーサルエンターテインメント(東証1部・6425)
1886円(100株)
PER:8.4倍
PBR:0.86倍
配当利回り:1.59%

パチスロ大手。旧アルゼ。フィリピンのカジノリゾートで現地企業と提携。だが、共同経営していた米国ウィンとは係争中。

マミヤ・オーピー(東証1部・7991)
247円(1000株)
PER:11.5倍
PBR:1.72倍
配当利回り:2.02%

紙幣搬送システムや紙幣識別装置、メダル払い出し機などを製造・販売。ネットで瞬時に売り上げ集計できる券売機システムへの期待も。

アドアーズ(ジャスダック・4712)
207円(1000株)
PER:48.0倍
PBR:2.68倍
配当利回り:0.96%

メダルゲームのパイオニア。新宿の「アドアーズミラノ店」では、賭博性のないブラックジャックやルーレット、バカラなどを提供。

フジ・メディア・ホールディングス(東証1部・4676)
2201円(100株)
PER:28.7倍
PBR:0.89倍
配当利回り:1.99%

傘下にフジテレビジョン。お台場に複合施設を建設するカジノ構想を持つ。同社が運営する「ダイバーシティ東京」はすでに都から特区認定。

三井不動産(東証1部・8801)
3365円(1000株)
PER:45.6倍
PBR:2.38倍
配当利回り:0.65%

フジ・メディアHDや鹿島とともに、台場エリアで総合型観光リゾートの建設を提案。2020年の東京オリンピック開催との相乗効果を狙う。

鹿島(東証1部・1812)
373円(1000株)
PER:23.1倍
PBR:1.10倍
配当利回り:1.34%

三井不動産などと、国家戦略特区ワーキンググループに対して「台場エリアにおける国際観光拠点の整備」と題する提案を提出。

セコム(東証1部・9735)
6140円(100株)
PER:21.6倍
PBR:2.07倍
配当利回り:1.87%

カジノ開業で懸念されるのが、地域の治安の悪化。防犯センサーや警備サービスに力を入れる企業、個人が多くなるとの見方がある。

アビックス(ジャスダック・7836)
162円(100株)
PER:63.5倍
PBR:8.58倍
配当利回り:―

カジノといえば派手なネオン。同社は商用映像看板を開発・販売するファブレス(*)メーカー。LED(発光ダイオード)大型ディスプレーの需要を期待。

※株価は2013年12月9日現在。*ファブレス=自社工場を持たない企業。

黒岩泰(YASUSHI KUROIWA)
黒岩アセットマネジメント代表

「窓・壁・軸理論」など、独自の理論が人気のテクニカルアナリスト。2013年7月の「株-1グランプリ」(夕刊フジと『ネットマネー』の共同企画)では、圧倒的パフォーマンスで優勝。



この記事は「WEBネットマネー2014年2月号」に掲載されたものです。