2017-0807
賃貸住宅の管理会社から成る業界団体「日本賃貸住宅管理協会」が半年単位で公式サイトにて更新公開している、同業界の白書的な調査結果【賃貸住宅景況感調査日管協短観】の最新版「賃貸住宅景況感調査日管協短観・2016年度下期(2016年10月-2017年3月)」が、2017年6月付でお披露目された。今回はその公開値を元に、賃貸住宅管理会社が管理する新築・既存物件、それぞれの増減について、グラフ化と現状の確認をしていくことにする。
各種調査要項などは先行記事の【メディア別賃貸住宅業者への反応の変化をグラフ化してみる】に記載されている。そちらを参照のこと。

今協会に所属する賃貸住宅の管理会社は、新築、または既存の賃貸物件の管理を受託し、その業務を執り行うことになる。賃貸住宅全体の需要が増えれば既存物件だけでは追いつかず、新築物件の建造で管理数全体を増やして需要に応えねばならない。もちろん絶対数だけでなく、例えばファミリー向けの需要拡大、駐車場付き物件の訴求力向上、インターネット標準装備物件の人気化、太陽光発電設備の導入に対する興味関心の高まりなど、需要の内容変化にも応じる必要がある。一般的に「新規物件増」イコール「賃貸住宅の需要拡大」となる。

直近の値における新築物件と既存物件の仕入れ状況の変化については次のような結果となった。全国的には前年同期(季節属性による変化は考慮しなくて済む)と比べると「新築物件は増加」「既存物件も増加」となる。

↑ 賃貸住宅管理会社における仕入(管理受託)の変化(2016年10月-2017年3月における、前年同期比で)
↑ 賃貸住宅管理会社における仕入(管理受託)の変化(2016年10月-2017年3月における、前年同期比で)

全国だけでなく「関西圏」「その他」(首都圏・関西圏「以外」の地域をまとめた上での集計結果)では新築物件より既存物件の方が増加派は多いが、「首都圏」では減少派が増加派より多く、物件全体が減少している状況なのが目に留まる。

また増加している「関西圏」「その他」ではいずれにおいても新築物件よりも既存物件の方が減少派の値が小さく、「その他」では既存物件の方が増加派も大きいことから、新築物件と既存物件の間の動向に小さからぬ差異が生じていることがうかがえる。この傾向は「増えた派」から「減った派」を引いたDI値を算出しても良くわかる。

↑ 賃貸住宅管理会社における仕入(管理受託)の変化・DI値(2016年10月-2017年3月における、前年同期比で、増えた派−減った派)
↑ 賃貸住宅管理会社における仕入(管理受託)の変化・DI値(2016年10月-2017年3月における、前年同期比で、増えた派−減った派)

今半期ではいくぶん「その他」地域の方が勢いは強いように見えるが「関西圏」もかなりの増加傾向にある。そして「関西圏」「その他」両地域で新築よりも既存物件の方が伸びが大きいことが明確に把握できる。賃貸住宅の需要が落ち着き、既存物件である程度カバーができ、新築物件の市場導入の勢いがスピード感を落としたようだ。もっともいずれもプラス値であることから、増加する傾向には違いない。

他方「首都圏」では新築物件の数が大いに、既存物件はわずかながら減少。既存物件の方が仕入れ数の上で勢いがありそうな状態に変わりはないが、マイナスにあることに変わりはなく、「関西圏」「その他」とは対照的な状態となっている。

報告書では今件状況に関して、「全体でも、新築及び中古でも落ち込みが大きく、特に首都圏では半減状態である」とある。仕入れ数の勢いが縮退をはじめ、「首都圏」では先んじる形でマイナスを計上してしまったのかもしれない。