外国人投資家が買い上げる日本株15
今や日本株の売買シェアの約6割を占めるといわれる外国人投資家。2013年の日本株上昇相場の牽引役は、紛れもなく彼らである。すでに外国人投資家の間では、「日本株に投資しないことへのリスク」が台頭、2014年もますます日本株への注目度は高まりそうだ。新年相場は、外国人投資家が狙う銘柄に先回りだ。

時価総額が大きく、流動性の高い銘柄

2013年の日本株上昇の牽引役は、なんといっても外国人投資家の買いだ。これまでの2013年の買越額は12兆6774億円(11月第3週まで)に上る。彼らは、日経平均の5月急落局面でも買い越すなど、年間を通じて積極的に日本株を購入している。アベノミクスといわれる日本経済の変化を評価しているうえ、世界的な金融緩和も日本株への資金流入要因だ。2014年もこうした状況に大きな変化はなく、引き続き高水準の買いが期待できそうだ。

外国人投資家が買うのはまず、「TOPIXコア30」などの時価総額が大きく流動性の高い銘柄。各セクターのナンバーワン企業が相当する。また、安倍首相自らが発言した「バイ・マイ・アベノミクス」に関連した銘柄を個別に選別する可能性が大きい。

具体的には金融緩和による円安で競争力が回復している輸出企業、特区戦略で突破を図ろうとしているカジノ、バイオ、さらにはオリンピックの招致成功で社会インフラに絡む企業が有望となる。

●和島英樹さんの注目15銘柄

トヨタ自動車(東証1部・7203)
6300円(100株)
PER:13.0倍
PBR:1.62倍
配当利回り:2.30%

時価総額トップにして、日本最大の製造業者。リーマン・ショックを乗り越え、過去最高益が視野に入る。出遅れ感が目立っている。

デンソー(東証1部・6902)
5100円(100株)
PER:17.0倍
PBR:1.77倍
配当利回り:1.84%

自動車部品のトップメーカー。トヨタ自動車以外の完成車メーカーにも幅広い納入実績。衝突回避、軽減装置関連など安全対策にも注力。

クボタ(東証1部・6326)
1730円(1000株)
PER:18.4倍
PBR:2.49倍
配当利回り:1.15%

コメ食文化であるアジア地域の人口増加、所得の伸びで農業の機械化が進む。基本性能維持で低価格の製品を投入。業績拡大期に。

三井不動産(東証1部・8801)
3365円(1000株)
PER:45.6倍
PBR:2.38倍
配当利回り:0.65%

東京オリンピックに向け、首都圏の再開発案件が増加。オフィスビル賃料の引き上げやマンション販売も堅調。保有不動産の含み益も増加へ。

ソフトバンク(東証1部・9984)
3万8700円(100株)
PER:44.6倍
PBR:7.33倍
配当利回り:0.77%

本体の好調に加え、米通信大手のスプリント買収でグローバル展開も加速。米国市場でもネット関連株の注目度は高まっている。

楽天(東証1部・4755)
1538円(100株)
PER:31.3倍
PBR:7.53倍
配当利回り:0.26%

2013年12月にジャスダックから東証1部に上場し、外国人投資家の運用対象にも。ADR(米国預託証券)流通も準備中。

村田製作所(東証1部・6981)
8940円(100株)
PER:23.4倍
PBR:2.19倍
配当利回り:1.34%

スマホ向けのセラミックコンデンサーなどに強みのある電子部品大手。米国アップルにも納入。高性能化で部品搭載点数が増加傾向。

ユニ・チャーム(東証1部・8113)
6610円(100株)
PER:39.0倍
PBR:3.85倍
配当利回り:0.54%

紙おむつや生理用品の首位。日本で成功したビジネスモデルを海外に移植。今期で7期連続の営業最高益と、外国人好みの高収益体質。

三菱UFJフィナンシャルグループ(東証1部・8306)
650円(100株)
PER:10.1倍
PBR:0.73倍
配当利回り:2.15%

日本最大の金融グループ。国内景気改善で貸し出しの増加に期待。アジアにも展開を急いでいる。金融株組み入れで同社株は不可欠な存在。

ショーボンドホールディングス(東証1部・1414)
4705円(100株)
PER:30.0倍
PBR:2.64倍
配当利回り:1.21%

橋梁やビルなど、コンクリート構造物補修の最大手。老朽化した社会インフラの補修・補強は追い風。外国人保有比率が増加傾向にある。

セガサミーホールディングス(東証1部・6460)
2757円(100株)
PER:15.6倍
PBR:2.15倍
配当利回り:1.45%

韓国でカジノを含むリゾート開発を進める。日本でカジノ解禁となれば、運営事業者の有力候補。外国人投資家がピックアップへ。

タカラバイオ(東証マザーズ・4974)
2233円(100株)
PER:199.1倍
PBR:4.91倍
配当利回り:0.04%

京都大学の山中教授のiPS細胞特許などを管理するiPSアカデミアジャパンと広範囲に連携。再生医療法案の通過で、バイオ産業が成長加速へ。

富士フイルムホールディングス(東証1部・4901)
2909円(100株)
PER:21.3倍
PBR:0.77倍
配当利回り:1.71%

液晶フィルムやヘルスケア事業に展開。傘下に有望新薬候補を有する富山化学工業や再生医療のJ-TEC(*)。PBRは0.7倍と割安。

ソニー(東証1部・6758)
1862円(100株)
PER:64.4倍
PBR:0.85倍
配当利回り:1.34%

海外でのブランド力は絶大。外国人大株主による映画・音楽部門の上場提案など、海外からの関心が高まる。本業にも底入れ感。

ジェイアイエヌ(東証1部・3046)
4240円(100株)
PER:26.0倍
PBR:8.38倍
配当利回り:0.75%

メガネチェーン「JINS」を展開。企画・製造から販売まで自社で手がけるSPA(製造小売り)で躍進。外国人投資家も注目。

※株価は2013年12月9日現在。*J-TEC=ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング。

和島英樹(HIDEKI WAJIMA)
ラジオNIKKEI放送記者

東証記者クラブのキャップを務める。「和島英樹のウィークエンド株!」は個人投資家に大人気。豊富な経験と徹底した取材で有望銘柄を発掘していく。



この記事は「WEBネットマネー2014年2月号」に掲載されたものです。