外資系証券が本国営業する日本株15
今や日本株の売買シェアの約6割を占めるといわれる外国人投資家。2013年の日本株上昇相場の牽引役は、紛れもなく彼らである。すでに外国人投資家の間では、「日本株に投資しないことへのリスク」が台頭、2014年もますます日本株への注目度は高まりそうだ。新年相場は、外国人投資家が狙う銘柄に先回りだ。

外国人投資家に「持たざるリスク」が台頭

外国人投資家は大きく2タイプに分けられる。日本株投資の経験が長い外国人と、経験が浅い外国人である。前者であれば、日本の状況を常にフォローし、関心を持った個別企業には直接アポイントを取る。経営者とマンツーマンの「スモールミーティング」を開催し、買うかどうかは自らの眼力で選ぶのである。

一方で、絶対数として多いとされるのが後者だ。いわゆる「持たざるリスク」を感じて日本株を買い始める投資家である。アベノミクス相場初期に多かったが、訪日経験もない「これまで日本株を軽視してきた海外勢」だ。そもそものウエートが低いため、買い始めたときの市場インパクトは大きくなる。

日本株をよく知らない分、セルサイドのアナリストが推奨する銘柄や戦略に従いやすいのも後者の特徴。口座を持つ外資系証券(日本支社)のアナリストが推奨する銘柄に、犂覿箸里海箸呂茲知らないけど、なんとなくよさそうだから買う〞的な買いが入ることもよくあることだ。

●岡村友哉さんの注目15銘柄

日立製作所(東証1部・6501)
762円(1000株)
PER:17.5倍
PBR:1.63倍
配当利回り:1.31%

ゴールドマン・サックス、JPモルガンなど買い推奨が多数。20社以上が調査対象にする銘柄としては、トヨタに次いでレーティングが高い。

マツダ(東証1部・7261)
485円(1000株)
PER:14.5倍
PBR:2.66倍
配当利回り:―

自動車株でも特に円安メリットが大きい銘柄。12月に入り、クレディ・スイスが投資判断を最上位に格上げし、目標株価は600円へ。

タカタ(東証1部・7312)
2869円(100株)
PER:28.0倍
PBR:1.49倍
配当利回り:1.04%

上値追いを続ける株価の強さは光るものがある。年初来高値圏から、クレディ・スイスが目標株価を3300円まで引き上げている。

ジーエス・ユアサ コーポレーション(東証1部・6674)
590円(1000株)
PER:24.4倍
PBR:1.87倍
配当利回り:1.35%

シティが目標株価を730円に設定している。車載用電池の将来性は高く、株価の下落局面は押し目買いの好機との見方を提示。

HOYA(東証1部・7741)
2912円(100株)
PER:24.8倍
PBR:2.55倍
配当利回り:2.23%

モルガン・スタンレーMUFGが最上位の格付けを付与。株主還元の可能性の高まりなどから、業界内トップピックとの位置づけに。

セガサミーホールディングス(東証1部・6460)
2757円(100株)
PER:15.6倍
PBR:2.15倍
配当利回り:1.45%

ゴールドマン・サックスの買い推奨のほか、国内系証券の強気レーティングも目立つ。カジノ誘致が実現した場合に同社が果たす役割は大きい。

牧野フライス製作所(東証1部・6135)
845円(1000株)
PER:63.3倍
PBR:1.09倍
配当利回り:1.18%

シティが工作機械株で最も選好するとして最上位格付けに。今期で業績が底入れし、来期以降は航空機需要で業績は急回復する見込みという。

宇部興産(東証1部・4208)
214円(1000株)
PER:18.1倍
PBR:0.96倍
配当利回り:2.33%

「中立」格付けが多いが、足元で目標株価の引き上げが相次ぐ。シティは最上位に格上げ、長期低迷した株価には割安感がある。

古河電気工業(東証1部・5801)
236円(1000株)
PER:33.3倍
PBR:0.93倍
配当利回り:1.27%

長期的な回復期に突入か。クレディ・スイスが最下位の「アンダーパフォーム」から最上位の「アウトパフォーム」へと2段階の格上げ。

ミネベア(東証1部・6479)
719円(1000株)
PER:16.8倍
PBR:2.04倍
配当利回り:0.97%

バークレイズが目標株価830円で最上位格付けを付与する。業績材料は来期に充実している様子。株価は高値圏で需給環境も抜群。

アルプス電気(東証1部・6770)
1155円(100株)
PER:19.0倍
PBR:1.64倍
配当利回り:―

11月にJPモルガンが最上位の「オーバーウエート」へ格上げ。来期はモバイルカメラ高機能化の寄与が想定を大きく上回りそうだ。

大同特殊鋼(東証1部・5471)
555円(1000株)
PER:17.8倍
PBR:1.07倍
配当利回り:0.90%

UBS、メリルリンチが買い推奨。自由鍛造品など採算性の高い製品が想定以上に伸びている様子。PBRはいまだ1倍程度と割安。

山九(東証1部・9065)
403円(1000株)
PER:14.2倍
PBR:1.06倍
配当利回り:2.23%

11月下旬にバークレイズが投資判断を最上位へ2段階アップ。同社をカバレッジ対象とする企業は3社と少ないが、いずれも買い推奨。

沢井製薬(東証1部・4555)
7100円(100株)
PER:21.1倍
PBR:3.29倍
配当利回り:1.26%

ジェネリック医薬品業界における勝ち組の位置づけ。クレディスイスは最上位格付けを付与し、目標株価を9800円に設定している。

ドワンゴ(東証1部・3715)
3225円(100株)
PER:62.2倍
PBR:6.36倍
配当利回り:0.31%

個人投資家に人気の銘柄だが、アナリストの評価も高い。動画広告の導入をポジティブとして、UBSが投資判断「Buy」を付与。

※株価は2013年12月9日現在。

岡村友哉(YUYA OKAMURA)
金融ジャーナリスト

大手証券会社、金融情報会社を経て、2010年11月より日経CNBCの株式コメンテーターとして活躍中。個人投資家のファンも多く、株式投資家の間では“朝の顔”として定着。



この記事は「WEBネットマネー2014年2月号」に掲載されたものです。