写真提供:マイナビニュース

写真拡大

○2013年の世界の株式市場の振り返り

以下では、MSCI ACワールド指数(米ドル・ベース)を中心として、世界の株式市場の1年を振り返ります。

上半期
米国で年初、大型減税の失効と歳出の強制削減が重なる「財政の崖」問題についての議会協議がまとまり、混乱が回避されたのに続き、米・独で明るい経済指標が発表されたことなどを受け、株価は上昇基調でスタートしました。2月下旬から4月半ばは、イタリアの政局不安やキプロスへの金融支援を巡る混乱、中国の1-3月期GDPの予想未達などにより、株価は弱含みとなったものの、その後は、良好な米経済指標やユーロ圏での利下げなどを背景に再び上昇しました。しかし、5月下旬以降は、バーナンキ米FRB(連邦準備制度理事会)議長の発言などから、米量的緩和の縮小観測が台頭したほか、経済指標の軟調などを背景に中国景気の先行き懸念が強まり、株価は軟調となりました。

下半期
欧米で、緩和的な金融政策を継続する意向が7月に相次いで示されたほか、経済指標の好調などもあり、株価は上昇基調でスタートしました。8月後半には、米量的緩和の縮小観測の高まりなどを背景に軟調となったものの、9月は、中国の経済指標に改善が見られたほか、FRBが市場予想に反して量的緩和の縮小を見送ったことなどから、月半ばにかけて株価は反発しました。その後、米議会の予算協議の難航が嫌気される場面もあったものの、10月に入ると、金融緩和に積極的とされるイエレン氏がFRBの次期議長に指名されたのに続き、中旬には米暫定予算がまとまり、株価は再度、上昇しました。そして、12月半ばには、FRBが14年1月からの量的緩和の縮小開始を決めたものの、小幅な縮小となったほか、超低金利政策は相当期間続くとの見解が示されると、株価はさらに上昇しました。

年間騰落率+20.3%と、2年連続の上昇により、MSCI ACワールド指数(米ドル・ベース)は2007年12月以来の水準に。(2007年:+9.6%→2008年:▲43.5%→2009年:+31.5%→2010年:+10.4%→2011年:▲9.4%→2012年:+13.4%)

MSCI ACワールド指数に関する著作権、知的財産権その他一切の権利は、MSCI Inc.に帰属します。
(※上記グラフ、データは過去のものであり、将来を約束するものではありません。)

※ 世界株式:MSCI ACワールド指数、先進国株式:MSCIワールド指数、新興国株式:MSCIエマージング・マーケット指数、その他の指数:MSCI ACワールド指数を構成するサブ指数(いずれも米ドル・ベース)
※ 各指数に関する著作権、知的財産権その他一切の権利は、MSCI Inc.に帰属します。
・地域・規模別では、経済成長率の水準は高いものの、景気の先行き不透明感が強まり、新興国株式がマイナスに。
・セクター別では、景気回復・拡大を評価した動きが見られたほか、高齢化や人口・所得の増加などに伴なう世界的な需要拡大、活発なM&A(企業の合併・買収)、新薬承認などを背景に、ヘルスケアの上昇が顕著となりました。

(※上記グラフ、データは過去のものであり、将来を約束するものではありません。)

※ 世界株式:MSCI ACワールド指数、先進国株式:MSCIワールド指数、新興国株式:MSCIエマージング・マーケット指数(いずれも米ドル・ベース) なお、その他の指数は、ロシアRTS指数を除き、現地通貨ベース
※ グラフに掲載した各指数に関する著作権、知的財産権その他一切の権利は、当該指数の算出元または公表元に帰属します。
・アルゼンチンでは、経済活動への政府介入を強めた現大統領の三選の可能性が低下し、2015年に企業寄りの新大統領が就任するとの観測などを背景に、株価が急騰しました。また、景気の回復・底打ちが見られた、日米欧の先進国の株価が大きく上昇しました。
・一方、ブラジルやロシア、中国の株価が下落するなど、新興国の株価は総じて先進国の株価に大きく劣後しました。

(※上記グラフ、データは過去のものであり、将来を約束するものではありません。)

・景気の底打ちが見られたユーロ圏や、同地域と結びつきが強いとみられる欧州の国々、景気回復が続いた米国などの通貨が上位に並びました。
・経済活動への政府介入が続いたアルゼンチンは、前年に続いて通貨が下落しました。また、経常赤字の対GDP比が高い新興国の通貨や、中央銀行が通貨高を強く牽制し続けたオーストラリアの通貨などが下位を占めました。

(※上記グラフ、データは過去のものであり、将来を約束するものではありません。)

○日興アセットマネジメントの2014年上半期の見通し

景気
・世界の全体的な経済成長は、「強すぎず、弱すぎず」の状況になると見込んでいます。
・米国では、株価の上昇や住宅価格の回復などに伴なう非常に強力な資産効果が、個人消費や住宅建設などを通じて景気の主な牽引役になるとみられます。また、歳出削減の影響は幾分残るものの、今後は政府支出の動向が成長の大きな足かせにはならないと考えられます。GDP成長率は、上半期に2%台前半、下半期は2%台後半となり、通年では2.6%程度と予想します。
・日本の景気については、1-3月期も堅調が続いた後、消費税率引き上げの影響から4-6月期に落ち込むものの、7-9月期以降は徐々に回復し、通年では1.8%程度の成長になると見込んでいます。
・ユーロ圏は、上半期に1%程度、下半期には1%台前半の成長を遂げ、通年では1%強の成長が見込まれます。
・中国の成長率は、上・下半期、通年のいずれも7%台前半とみています。

金融政策および為替
・米国については、1月から開始される量的緩和の縮小が徐々に進み、7-9月期に証券購入が打ち切られるとみています。ただし、ゼロ金利政策が継続されることにより、債券利回りの上昇は抑制されると考えています。なお、米国での最初の利上げは2015年7-9月期と予想しています。
・日本の場合、「景気は4月の消費税率引き上げに耐え、7-9月期には反発する」と日銀が判断する可能性が高いことから、金融政策に大きな変化はないと見込まれます。
・一方、ユーロ圏では、2013年11月に追加利下げに踏み切ったECB(欧州中央銀行)が、1-3月期には、南欧諸国等の銀行支援や過度のユーロ高の阻止に向け、銀行への長期資金供給オペ(LTRO)に踏み切る可能性があります。ただし、4-6月期には、ECBの姿勢が緩和から中立へ移行すると予想しています。
・円相場は、量的緩和の縮小に向かうFRBと緩和姿勢の維持・強化が見込まれる日銀という、日米の金融政策の方向性の違いや海外金利の上昇、日本の大幅な貿易赤字などを受け、引き続き下落すると見込まれます。ただし、半年内に1米ドル=110円程度といった過度な下落が見られるような場合には、インフレや債券安などを懸念し、当局が円安の抑制に動く可能性も考えられます。

債券および株式
・世界の景気が「強すぎず、弱すぎず」の状況となる中、米・日・ユーロ圏の債券利回りの上昇が見込まれるものの、そのペースは警戒を要するようなものとはならず、世界の株価には上昇余地があると考えられます。
・米国については、株価や住宅価格の上昇に伴なう大きな資産効果と、世界経済の成長などを背景に、企業収益の伸びに即した株価の上昇を見込んでいます。なお、今後、債券利回りの上昇が見込まれるものの、それを考慮した場合でも、金利水準が過去と比べて低いことから、予想PER(株価収益率)がやや高いことの説明はつくと考えられます。
・日本では、一層の円安と企業収益の力強い回復が見込まれます。予想PERは、日本株式が引き続き魅力的な水準にあることを示唆しています。しかも、企業収益予想の上振れが見込まれることから、現在の株価バリュエーションが示唆する以上に魅力は大きいと考えられます。
・ユーロ圏は、時に不安定となる可能性はあるものの、概ね順調な回復軌道を辿っています。良好な株価パフォーマンスとなっている大方の多国籍企業に続き、今後は内需関連企業の回復も期待されます。予想PERなどの株価バリュエーションは、株価が概ね妥当な水準にあることを示唆しています。なお、企業収益見通しの実現可能性は高いとみられます。

主なリスク要因
新興国のうち、多額の外国資本を必要とする国や政情不安のある国などで発生した混乱が他の新興国への資金の流れに影響を及ぼす可能性や、中国のいわゆる影の銀行に関する動向、さらに、中東情勢や北朝鮮の動き、中国による日本に対する防空識別圏の設定など、地政学的リスク等に注意を払う必要があります。

(※上記データは過去のものおよび予想であり、将来を約束するものではありません。)

○2014年の主な注目点

日本の景気と政策などの動向
アベノミクスが、一時的に期待を持たせただけでなく、実体経済の改善・浮揚につながるかどうかを見極める上で、企業による賃金引き上げや、構造改革などの成長戦略の行方が注目されます。

政府と経営者、労働界の代表による2013年12月の会合は、賃上げの必要性で一致したものの、具体論では隔たりを残して終わりました。経営者は、業績が改善した企業が春の労使交渉で賃金水準を底上げするベースアップを容認する方針を固めたものの、それを促すところまでは踏み込まず、賃上げを個別企業の判断に委ねるとの立場を示しました。こうしたことなどから、賃上げを巡る攻防は、春闘労使交渉での駆け引きに舞台を移すことになりました。

消費税率引き上げに先立つ駆け込み需要の反動により、2014年4-6月期に消費の減退が懸念される中、賃上げの動きが広がらなければ、景気が低迷する可能性があります。その場合、企業や家計のインフレ期待も高まらず、日銀が2013年4月に掲げた「2年程度で2%」との物価目標の実現も怪しくなることから、日銀の追加緩和や政府による成長戦略の強化への期待が高まることでしょう。

成長戦略は、金融・財政政策に比べて出遅れ感が強いことは否めません。しかし、安倍首相は、雇用や農業、医療分野を柱とした新たな成長戦略を2014年6月をめどにまとめる方針を表明しており、2013年6月に決めた日本再興戦略に盛り込めなかった規制緩和策や、産業の新陳代謝を促す企業支援などを打ち出す見通しです。また、市場が注目する法人税の引き下げについても、「グローバルな経済の中での競争力は大切だ」として、安倍首相は引き続き意欲を示しています。

また、交渉妥結が2014年にずれ込んだTPP(環太平洋経済連携協定)については、妥結に必須とされている「貿易促進権限(TPA)」を米大統領に与える法案が3月までに可決される可能性がでてきました。これが実現すれば、オバマ大統領が強い通商権限を手にすることもあり、同大統領の4月のアジア歴訪が最終妥結の有力な期限になり得ると考えられます。

中間選挙を控える米国の政治
向こう2年間の予算編成を担保する修正予算決議案が2013年12月に上下両院で可決され、大統領の署名を経て正式に成立したことから、2014年1月15日に迫っていた政府機関再閉鎖の危機は回避されました。ただし、2月初旬には連邦債務上限の引き上げを巡る問題が期限を迎えることなどから、民主・共和両党間の対立が再燃する可能性は残っています。

野党共和党は、保守強硬路線の屋台骨となってきた草の根保守運動「ティーパーティー(茶会)」主導の党運営の下、2013年10月の政府機関の一部閉鎖で批判を浴びたことなどから、修正予算協議においては一転して民主党との合意に動きました。今秋に中間選挙を控える多くの議員にとり、ティーパーティーはなお無視できない存在とされているものの、米国企業は、中間選挙でティーパーティーが勢力を拡大し、米国の信用力や経済成長に大きな混乱が生じるリスクを嫌い、より穏健な候補を積極的に支援し始めています。共和党側でも、ティーパーティーの急進的な活動に頼らなくとも、オバマ政権の政策の弱点を突くことなどにより、中間選挙で勝てると考え始めている模様です。

オバマ大統領は連邦債務上限の引き上げについて、無条件で引き上げるべきとの立場を示しています。しかし、共和党が、政府の看板政策である医療保険制度改革「オバマケア」の混乱が影響し、大統領の支持率が就任以来の最低水準となっている点などをつき、攻勢に出る可能性があります。

新興国での選挙
リーマン・ショック後の世界経済を引っ張ってきたのは、中国を中心とする新興国でしたが、その成長率には鈍化や息切れが目立つようになっています。そうしたなか、比較的規模の大きな国を中心に、2014年に選挙が予定されています。多くの新興国でここ数年、改革の行き詰まりなどが見られており、選挙結果などを受け、そうした行き詰まりが継続する国もあれば、改革が再び軌道に乗る国もあると考えられ、その違いが、2014年の投資成果を大きく左右する要因の一つになると見込まれます。

2014年に予定されている、新興国での主な選挙

トルコ:3月地方選挙、8月大統領選挙

南アフリカ:4月下院選挙、大統領指名

インド:4月〜5月総選挙

インドネシア: 4月総選挙、7月大統領選挙

ブラジル:10月大統領選挙、議会選挙など

(※上記は予想であり、将来を約束するものではありません。)

(2014年1月6日 日興アセットマネジメント作成)

●日興アセットマネジメントが提供する、国内外での大きなイベント発生時の臨時レポート「フォローアップ・メモ」からの転載です。→「フォローアップ・メモ」

※1 当資料は、日興アセットマネジメントが投資環境についてお伝えすることを目的として作成したものであり、特定ファンドの勧誘資料ではありません。また、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料作成時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。
※2 投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産は為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことがあります。投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。

(日興アセットマネジメント)