(撮影/有光浩治)

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日本経済の未来は? 東京五輪の効果は? これからの注目株は? こうした個人投資家が気になる疑問に経済の超専門家、竹中平蔵さんがズバリ回答してくれた。

質問1 アベノミクスは今後も有効ですか?

A.第1の矢の金融緩和は命中寸前、第2の矢の財政再建も放たれた。

 13年10月を起点にこの1年間を振り返ってみると、米国株の18%上昇に対し、日本株は60%もの上昇を達成しています。

 これはバブル期の年平均上昇率に匹敵しており、アベノミクスを批判する声がありますが、「よくやった!」と褒めるのが普通の評価でしょう。もちろん、いくつかの課題も抱えていますが、ここまではグッドスタートだったと言えるでしょう。

 アベノミクスの第1の矢は、「デフレ克服のための金融緩和」です。

 かねてから安倍首相は、「デフレこそ諸悪の根源」と訴えてきました。実は景気回復に伴う需要不足の解消で、06〜07年に日本はデフレを克服する絶好のチャンスを迎えていました。ところが、当時の日銀は量的金融緩和を止めて台無しにしたのです。当時、官房長官を務めていた安倍さんは、非常に悔しい思いをしながらそれを傍観していました。

 そこで、安倍政権が指名した黒田日銀総裁は就任後の最初の政策決定会合で、日銀が供給する資金量を2年間で倍増させると宣言し、デフレ克服に対する大きな期待を与えました。こうして、すでに1本目の矢は放たれており、的に命中しつつあります。ただし、その効果がはっきりと出てくるまでには1〜2年の歳月を要するものです。

 そして、第2の矢もすでに放たれてはいるものの、こちらはまだ的をめざしている最中だと言えます。2本目の中身は「機動的な財政出動」で、よく「積極的」と誤解されますが、まったく考え方は異なっています。当初は財政出動によって景気の浮揚に努めるものの、中期的には財政再建をめざしていくというのがその筋書きなのです。

 このまま放置すると、毎年1兆円ずつ社会保障費が膨らむというのがシビアな現実。国民皆保険制度が始まった当時(1960年)、66歳だった国民の平均寿命は今や80歳に達し、どれだけ増税しても追いつきません。デフレ克服後、いかに財政再建を果たすかが安倍政権の最大の課題となるでしょう。

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