韓国のソウルで2013年12月31日午後、韓国人男性(40)が朴槿恵大統領の退陣を訴え焼身自殺を図り、死亡した。左翼系市民団体は2日、朴政権を批判する文章が書かれた男性の遺書を公開した。複数の韓国メディアが報じた。

  南大門警察署によると、男性は31日午後5時35分ごろ、ソウル駅前の高架道路の上で体に引火性の液体をかけ火を付けた。男性はただちに病院に運ばれたが、全身火傷を負い、同日午後7時55分ごろに死亡した。

  男性は焼身自殺を図る直前、高架に「朴槿恵辞任」、「特別検事実施」と書かれた5メートルほどの垂れ幕を吊し、自身の体を鎖で縛っていたという。

  市民団体で構成する葬儀委員会は、男性が残した遺書7通のうち、韓国国民に向けた直筆の遺書2通を公開した。遺書には2012年12月に行われた大統領選挙をめぐる介入問題を挙げ、朴政権を「民主主義を転覆させたクーデター政府」と批判。また「恐れは私が持って行きます。立ち上がってください」などと反政府デモをあおる記述もあった。

  同委員会は、警察が男性の自殺を「生活苦によるもの」と事実をねじ曲げて発表したと批判。4日にはソウル駅広場で告別式を開き、その後、男性が生活していた同国南西部の光州市で葬儀を行う計画という。(編集担当:新川悠)