投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の12月24日〜12月27日の動きを振り返りつつ、12月30日・大納会以降の相場見通しを解説する。

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 先週の日経平均は上昇。前週からの上昇基調が継続し、週末には一時16200円を付けており、2007年11月以来、約6年2ヶ月ぶりの高値水準を回復した。クリスマスを挟んで海外勢のフローが限られるなか、年末特有の需給要因の影響を受けている。

 日経平均はソフトバンク<9984>、ファーストリテイリング<9983>、ファナック<6954>といった指数インパクトの大きい値がさ株の影響を大きく受けるなか、年内受け渡し最終日の25日までは、証券優遇税制廃止に伴う売りが幅広く入った。一方、受け渡しベースで2014年1月相場入りとなった26日以降は、NISA(少額投資非課税制度)スタートに伴う買い需要が相場を下支えする格好。

 実際、野村證券のHP上では連日「電話がつながりにくい状況」とアップされており、証券優遇税制終了に伴う利益確定からNISAに伴う買いの影響があったとみられる。特にNISAについては待機資金とされるMRF(マネー・リザーブ・ファンド)の純資産残高は過去最高の10兆円に迫る水準と期待は大きいだけに、押し目待ちに押し目無しの心理状態でもあるようだ。

 安倍首相の靖国参拝による影響が警戒される半面、これが円安に向かわせている一面もあり、ドル・円は2008年10月以来の高値となる一時105円台に乗せている。中小型株の強い値動きをみてもNISAに関連した個人主体の物色意欲の強さが感じられており、市場は冷静のようである。

 年内は30日の大納会の1日を残すのみとなった。アベノミクス効果は落ち着きをみせているように映るが、2014年も強気相場が続くとみられる。来年4月の消費税率引き上げに伴う景気悪化への対策として、景気刺激に即効性のある公共事業に手厚く予算を配分し、マイナス幅を最小限にとどめる。

 2020年の東京五輪を控え、老朽化した社会インフラの補修・更新の必要性も高まっているほか、国家戦略特区法の成立により、設備投資関連などへの追い風になる。新指数「JPX日経インデックス400」が1月より算出される。選定条件に企業の収益性をはかるROE(自己資本利益率)が採用されたことで、より成長期待の大きい企業に関心が向かいやすくなるだろう。

 先高期待は強く、NISAに関連した買い需要も引き続き強そうである。今回の年末・年始の休場は12月31日から1月5日までの6日間。その間に1月2日には米国でISM製造業景況指数が発表され、事前予想は11月に続いて50を上回るとみられる。3日にはバーナンキFRB議長講演が予定されている。ISM製造業景況指数が予想を上回ってくるようだと、翌週の10日には12月の雇用統計を控え、景気回復への期待が高まるなか、米国の緩和縮小に対し、日本の追加緩和期待となるなかで為替市場ではよりドル高・円安の流れがはっきりしてくる可能性がある。

 年内受け渡しの証券優遇税制廃止に伴う売りによって当面の売り需要は止まった格好である。買いのタイミングを探るなか、年明け以降からの参戦というよりは、大納会での物色意欲は意外と強そうである。大納会も証券会社のコールセンターはつながりづらそうである。