女性の平均寿命が86.41歳で第1位、男性の平均寿命が79.4歳で第5位となっている日本は、アイスランド、スイス、香港とともに、現代の長寿国となっています。実は、科学技術や再生医療の劇的な進化ゆえに、平均寿命が100歳を超える日は遠くないと言われています。現にアメリカの大手生命保険会社・プルデンシャルは、自社の広告で「人類史上初めて150歳まで生きる人物はすでに生まれている」とのメッセージを打ち出しています。70歳で妊娠することも、110歳から次のキャリアを築くことも可能になる未来の訪れを、シリコンバレーのテクノロジーアナリストであるソニア・アリソン氏が解説しているのが、書籍『寿命100歳以上の世界 20XX年、仕事・家族・社会はこう変わる』です。長生きになった社会での、総人口、地球環境、家族との関係、宗教心の変化などがつづられています。 社会が「長寿型」に移行するなかで、新たな発達段階が生まれつつあると本書は指摘します。例えば人間の一生には、子ども・青年・成人・老年期といったように幾つかの発達段階がありますが、平均寿命が伸びることによって、青年期と成人期の間に新たな段階が出現しているというのです。 その新しい段階を示す新語が、「adultolescents(大人未満/adult[大人]+adolescent[若者])」や「adultescents(大人未満期/adulthood[成人期]+adolescent[青年期])です。寿命が伸びたことで、"成人"として成熟するまでの時間的な猶予が与えられたために、生まれた新たな発達段階を指します。「青年期でも成人期でもない時期」の誕生により、都市部では友人同士が助け合い、親の代わりをするようになると本書は指摘します。この期間に、社会や友人から"教育"を受けた若者たちは、仕事でキャリアを形成しながら自らの関心を知り、アイデンティティを確立することができるのです。 「成人期の初期に時間に余裕ができて自分の裁量で自由に過ごせるようになったために、若者世代はすぐに結婚して自分の家族を作ったりせずに、まず自分自身について十分に知ることができる。(中略)その結果として、若者たちはそれぞれのアイデンティティに対する満足感の度合いが高くなる」(ソニア・アリソン氏)長寿社会の実現で、生まれる新たな発達段階。長寿国・日本にとっても、そう遠い未来の話ではないでしょう。
『寿命100歳以上の世界 20XX年、仕事・家族・社会はこう変わる』 著者:ソニア・アリソン 出版社:阪急コミュニケーションズ >>元の記事を見る

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