20年ほど前は大混雑していたゲレンデも最近ではひどい混雑もない(c)TVh「けいざいナビ北海道」

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「私をスキーに連れてって!」はもはや遠い昔のお話しになりつつあり、スキー場を取り巻く環境は厳しく、赤字経営のところも少なくない。中には閉鎖に追い込まれるスキー場もある。

 そんな中、一時は閉鎖が決定した北海道小樽市のスキー場が見事に蘇った。その事例を中心に、私がキャスターを務めるテレビ北海道「けいざいナビ北海道」ではスキー場経営を特集したので、今回のコラムではその内容をお伝えする。スキー場も、まだまだ工夫次第で面白いビジネスになりうるのだ。

スキー人口は過去20年で半分以下になったが底打ちの兆し

 まず、番組でお伝えしたデータから整理しておく。

 日本生産性本部「レジャー白書」によると、全国のスキー・スノーボード人口は1993年の1860万人から2012年の790万人に減っている。北海道内のリフト・ゴンドラ延べ利用者数も同様に減っており、1991年〜1992年に9117万人だったものが、2010年〜2011年には4101万人に減っている。

 しかし、そこで底を打ったようで、2012年〜2013年のシーズンには4132万人と微増している。かつてのスキー世代が親世代となって、子供を連れてスキーに行くようになった、あるいは、各スキー場の様々な取り組みが功を奏してきたなどいくつかの説明があるが、今回紹介する事例もそれらの一つと言える。
 
 北海道には約100カ所のスキー場が存在するが、民間資本が経営する大規模なスキー場から町や第三セクターが経営する公営のものがある。公営のものはリフトが1本や2本の規模の小さいものが多く、8割が赤字とやや前の記事になるが2010年の日本経済新聞の記事で報じられている。

 なぜ町が赤字を補填してまでスキー場を維持するかと言えば、第一義的には町民の健康維持のため、特に子供たちの体力作りのためである。もちろん、雇用の維持という側面もあろう。

リフトたった2本のスキー場の再生策

 小樽市にあるスノークルーズオーンズスキー場(オーンズ)は、もともとは民営だったが利用者減により2012年に廃業が発表された。それに対して存続を希望する人々による署名活動が行われ、それにこたえる形で兵庫県のマックアースが運営を引き継ぎ、スキー場は存続されることになった。

 オーンズにはリフトが2本しかなく、規模的には赤字体質の公営スキー場に近い。運営を引き継いだマックアースは全国的にスノーリゾート、旅行、外食事業を手がけており、機材、備品の共同購入や外部委託していたものをグループ内でまかうなど、運営経費の削減することで経営再建が可能だと判断したそうであるが、やはり経営再建を確実にするには来客延べ人数を増やす必要がある。

 しかし、リフト2本のスキー場では広域からの来客は期待できないので、知恵を絞る必要がある。特に、オーンズの周りには10キロ〜20キロ程度の範囲にいくつものスキー場が存在する。本州からの観光客にも人気のキロロや札幌オリンピックの開催地にもなったテイネなど、190万人の人口を抱える札幌市から30分程度の距離とは言え、スキー場の激戦地域なのだ。リフト2本でそれら競合スキー場と戦うのはなかなかに容易ではない。

 さて、肝心のオーンズの取り組みだが、シンプルだ。まず、取り組んだのがシーズン券の大幅値下げ(6万円→2万円)である。元の値段の3分の1にするのだから、これは破格である。通常の発想ではなかなか出てこないであろう。

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