弁護士に聞いた!「彼のスマホこっそり見たらプライバシーの侵害になるの?」

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恋人や配偶者のケータイ、あなたなら見ますか? 「浮気してないかどうか心配で……こっそりチェックしちゃう」という人も多いのではないでしょうか。

「女友達と頻繁にメールしていて、見なければよかったとすごく後悔した。」や「1度したらクセになってしまった……」など、多くの悩める女子がいるよう。そんな中「彼氏のメールチェックしたら、プライバシー侵害で訴えられるらしい!?」というネット上のウワサを発見。

こっそり盗み見している人にとっては、ドキッとしてしまうウワサですよね。そこで今回は『アディーレ法律事務所』の島田さくら弁護士にご協力いただいて、その辺りを詳しく説明していただきます!

 

■恋人のメールをみたら「プライバシーの侵害」になる!

「率直にうかがいます。恋人のメール、勝手に見たら“プライバシーの侵害”なのでしょうか?」

島田さん:はい、「プライバシーの侵害」にあたります。プライバシーとは(1)私生活上の (2)いまだ他人に知られていない事実で (3)通常公開されたくないものを 本人の同意を得ずに暴いたような場合に成立します。プライベートのメールは他人に知られていない、そして公開されたくないものといえそうなので、メールを勝手に見てしまえばプライバシーの侵害にあたるでしょう。

 

■損害賠償の可能性も! GmailやYahooメールは不正アクセス禁止法にも違反!

「どんな法律に抵触するのでしょうか……。逮捕されたりするんですか?」

島田さん:プライバシー権侵害は、民法709条の不法行為にあたるので、損害賠償の請求が可能となります。プライバシー権侵害そのものを処罰する法律はありませんので、逮捕される、ということはありません。

島田さん:しかし、GmailやYahooメールなど、クラウド上のメールに関しては他人のIDやパスワードを不正に利用してネットワークに接続してメールを見ることになるので、不正アクセス行為の禁止等に関する法律」に違反すると考えられます。この場合は3年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられる可能性がありますね。携帯に保存されているメールを見る行為はこれにあたりませんので、注意してくださいね。

 

SNSも基本的にはメールと一緒!

「メールじゃなくて、SNSを見たらどうなるんでしょうか……。わたしに非公開の投稿とか、気になるんです。」

島田さん:恋人のID等を用いてSNSにログインして、自分には公開されていない投稿を見るという場合も、基本的にはメールの場合と一緒です。しかし、SNSへの投稿の場合、限定された範囲とはいえ複数の他人に見せることを想定しているので、メールの場合よりもプライバシーの度合いが低く見られてしまうということもありえますね。

島田さん:SNSのダイレクトメッセージなどを見た場合はメールの場合と同じです。

島田さん:また、SNSの場合、必然的にインターネットに接続することになるので、不正アクセス行為の禁止等に関する法律」に触れることになります。

 

■スマホの中のデータも見ちゃだめ!電話帳や発信履歴は大丈夫…かも?

「スマホの画像も気になってしまうんです。だれかとツーショット取ってないか……とか。発信履歴に女の人が続いていると怪しくって、不安で。」

島田さん:基本的にはメールの場合と同じですね。(1)私生活上の (2)いまだ他人に知られていない事実で (3)通常公開されたくないような写真を見た場合 プライバシーの侵害にあたるといえますね。しかし電話帳や発信履歴をみただけではプライバシーの侵害にあたるとは言いにくいかもしれません。

 

■恋人じゃなくて、家族やダンナだったら?

「ダンナが不倫してるんじゃないかなって思うんです。不倫の証拠を取りたいです」

島田さん:家族や配偶者であってもプライバシーは守らなくてはいけません! しかし配偶者は恋人と違って貞操義務を負っているので、不審な行動があって、浮気調査のためメールや写真を見たというような事情があれば、損害賠償を払わなければならないほどの違法性があるとはいえないですね。

 

いかがでしたか? 一概にメールチェックと言っても、細かく法律で決められているようですね。なんとなく興味本位で相手のスマホをチェックしてしまっている……という方、くれぐれも注意してくださいね!