出来事には、たいてい音が伴う

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早いもので、残りわずかとなった2013年。今年もいろんなことがあった。1年を振り返る意味で、メディアでは色々なランキングが発表されているが、最近こんなおもしろい調査も発表された。

それは、“心に残った音”。どんな音が印象深かったのかというもので、果たして何が選ばれたのか。その内容を紹介しよう。

選定したのは、音を科学する企業であるリオン株式会社だ。対象音は、注意喚起音・自然音・歓声・人工音・機械音・ニュース報道の一部(声)、テレビ番組やテレビCMの効果音など。まず同社内で候補となる『音』(10個)を選定。それを11月中旬に一般人1000名に対して、2013年の心に残った音として複数回答で質問した。また、その他(候補の10音以外)の心に残った音と理由も、フリーアンサーで記載してもらったそうだ。

そもそも、どうしてこのような調査を行ったのだろうか。リオン株式会社に聞いてみた。

「当社の社名は、理学の“リ”、音響の“オン”に由来しており、音を科学する企業として、『その年を象徴し印象に残った音とは何?』との思いからはじめました」
「また、多くの方々にもっと音の重要性について注目して欲しいとの思いもありました。2011年から開始し、今年で3回目を迎えました」

では、早速調査結果を見てみよう。

○1位 「2020年東京五輪決定の瞬間の音」(51.3%)
○2位 「日本シリーズ最終戦9回に田中投手が登場した時のスタジアムの歓声」(33.9%)
○3位 「大型台風などによる暴風雨の音」(31.5%)
○4位 「群衆に呼びかけるDJポリスの声」(29.7%)
○5位 「伊勢神宮と出雲大社の遷宮の儀式における荘厳な音(ね)」(22.6%)
○6位 「大ヒットの銀行ドラマで、主人公を叱責するために机をたたく音」(21.9%)
○7位 「ワールドシリーズで優勝を決めた瞬間のレッドソックス上原選手の雄たけび」(15.2%)
○8位 「ロシア・ウラル地方での隕石爆発の音」(12.0%)
○9位 「世界遺産に登録された富士山に殺到した登山客の喧騒」(8.9%)
○10位 「サッカーワールドカップ出場を決定づけた本田選手PKゴールの瞬間の音」(8.8%)

過去の分を合わせ計3回の調査結果で、心に残る音の傾向、特徴はあるのだろうか。

「2011年は東日本大震災に関する音が上位を占め、2012年はロンドン五輪に関する音が多くなっていました」
「そして今年の1位『東京五輪決定』、2位『田中選手の登場』とも、感動したシーンの音が上位になっています。これから何かがはじまる期待感から、これらの音が選ばれたと思います」
「意外に多かったのが4位になった『群衆に呼びかけるDJポリスの声』であり、群集に向けて冷静にそして共感を得る話しが印象に残ったと思います」

その他回答でおもしろかったのは、「重機の機械音」(男性、44歳、千葉県在住)……工事が多いから、「LINEの受信音」(男性、53歳、神奈川県在住)……小さな音なのに存在感がある音だから、など。こうしたとても身近な音が印象深いというのは、いかにも庶民的な感覚で共感できる。

さて、あなたにとって、今年はどんな音が“印象深い音”でしたか?
(羽石竜示)