2DK 2013 WINTER

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12月20日、おっかけ女子ふたりがルームシェアしていく日常を描いたWEB漫画、『2DK』(講談社)の単行本が発売されました。

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今回は作者の竹内佐千子先生にご登場いただき、漫画が誕生したきっかけや、人気のエピソードを伺ってきました!

――『2DK』は「きなり」と「こむぎ」というふたりの「おっかけ女子」がルームシェアをする漫画ですが、この作品が生まれたきっかけを教えて下さい。

竹内:『2DK』がいま連載している講談社のWEB漫画サイト「モアイ」には、元々はるな檸檬さんの『ZUCCA×ZUCA』が連載されていて。こちらは宝塚ファンを描いた作品なので、別のジャンルのファンをテーマにして漫画を…というお話をいただいたのが最初ですね。当時はエッセイ漫画にするか違う形にするのかすらも固まっていなくて、一年くらい悩んで…。

――竹内さんには『おっかけ!』(ブックマン社)など、ご自身や周りのおっかけ体験を元にしたエッセイ作品も多いですものね。

竹内:なので、最初は「エッセイにしましょう」という話だったはずなんですけど…、何回かネームを出して、編集さんの方から「ストーリーがあった方がいいんじゃない?」と。

私が「D2」という若手俳優集団が好きで、打ち合わせの時にその話をしていたら、編集さんの方から「D2を逆にして、イニシャルがKの女の子ふたりがルームシェアをする「2DK」というタイトルの物語はどうか」と提案があって、「それおもしろいですね」となったのがきっかけだと思います。

――主人公の「きなり」は染色家で、「こむぎ」はパティシエですよね。学生ではなく社会人にしたのは?

竹内:それは自分の周囲の人が学生じゃなくなっているというのもあるんですよね。社会人で働きながらおっかけしてるっていう子が描きたかった。学生のうちは「(おっかけをしても)許されている」みたいな空気もあるから。

「学生終わったらおっかけも卒業する」「30歳過ぎてもおっかけしてるとかちょっと…」て思ってる10代の子もたくさんいるし(笑)。周囲からも思われていることも多いし、そうじゃなくて、社会人で、仕事しながらおっかけも楽しんでいるんだよ、っていうことを描きたかったんです。

――働いて、時間のやりくりをして、おっかけして…。それこそ社会人になって自由に使えるお金が増えると漫画の中にあるように、新幹線に乗ったり…お金を時間で買うような…(笑)。

竹内:かなりお金で時間を買ってるよね(笑)。でも結構メディアの人たちってそういう部分をおもしろおかしく扱うじゃないですか。「ここまでやっちゃってる女たち!」みたいな。

「給料の半分つぎ込んだり…彼氏も作らず結婚もしてない!」とか。そんな風に言われることが本当に納得できなくて。ひどい時は「現実が見れないかわいそうな女」扱いされて。それは若手の俳優さんに限らず、アイドルとか追っかけられる立場の人の職業すらバカにしてますよね。確かに縁遠い人も多いですけど(笑)、彼氏がいる人もいるし、結婚してる人もいますよ。お金だって使えるお金を使っています(笑)。

――そういうところばかりが取り上げられがちですよね。「おっかけの実態!」みたいな。

竹内:それにおっかけてる女の子たちってみんなかわいいじゃないですか。隣でアイドルを見て「キャー!」って言っている女の子ってめちゃくちゃカワイイよ! 握手会の列に並んでいる子たちもめちゃくちゃカワイイ!「何話す〜?」「順番がくるんだけどどうしよう〜!」みたいな(笑)。

みんなすごくかわいいし、現実を疎かにしているわけでもない。呆れられることはあっても、責められることは何もないですよね。趣味を持っていきいきとした人生を過ごしてるのに、一部の行き過ぎたファンの行動を鵜呑みにされて、未成年でもないのになぜ周りにとやかく言われなくちゃいけないんだって思っている部分もあったので。

――そういうおっかけの楽しさや、優しい目線みたいなものは、漫画にも現れていると思います。ルームシェアして、一緒にDVD見たり握手会の練習したり、キャッキャして楽しそうです。あれは実体験なんですか?

竹内:私自身はルームシェアをしたことがなくて、一人暮らしもしたことがないんですよね。それは漫画を描く上で結構困りました(笑)。不動産のことも全然わからないので、周りの人に聞いて。一緒にDVD見たり握手会の練習したりは実体験なところもあります(笑)。

――実際に周囲でルームシェアをされている友達はいるんですか?

竹内:「昔やっていた」という友達もいますし、読者の方から「今おっかけ友達とシェアしています」というメッセージをいただくこともあります。

――読者の方からの反響が大きかったエピソードはありますか?

竹内:それはもう満場一致で 「No.54 ドエル(2013/11/13公開)」ですね。お金の使い方の回。

びっくりするほど反響があったんですよね。普段は若手俳優さんのファンの方からの感想が多いんですが、あの話はもう色んなジャンルのファンに飛び火して。K-POPから二次元ファンの方まで波及して。みんな共通してるんだなって思いました。

――身も蓋もない話ですからね。

竹内:真実っちゃあ真実ですからね(笑)。「なんでそんなに同じCD何枚も買うの」って言われると、凹むときもあるんですよ。握手券がついてたりすると、握手したいがためにCDを買うから…。それでCDの売上が伸びても、本人たちは喜ばないんじゃないかって、そのまんま漫画に描いた通りなんですけど。

おとなりさんのエピソードは実体験なんですよね、ここまで振り切っちゃっていいんだなあって。良いこと言うなぁって(笑)。あと結構K-POPのファンの人たちはそういう面のメンタルが強い。それはちゃんと良いものを見せてもらえてる証拠だと思う。

――好きなものにお金を遣うことって気持ちいいですからね。

竹内:あれは何にも代えがたい快感ですよね、なんなんでしょう(笑)。それだけ使ったとしても、ちゃんといいステージや作品で返してくれるなら嬉しいじゃないですか。次の作品につながるし。だけど全てうまくいくものじゃなくて…若手俳優の子が頑張ってても、作品そのものが面白くなかったりして…。

――漫画にもありましたね。「イケメンが出てるだけでファンは満足するんだろ? なめられてる!」と。

竹内:そのことを描いた時も、反響は大きかったですね。「ここまで言ったら怒られるかな」と思った回の方が、反響が大きかったです。

――ファンの本音が出てるからでしょうか。

竹内:ただの私個人の本音だと思っていたことが、結構みんなが思っていることだったという。共感してもらって、嬉しい誤算なのか…やっぱりみんなもそういう作品があると思ってるんだ…と実感して悲しいような…複雑。

願わくば、これが偉い人の耳に入って欲しいんですよ!(笑)。正面から作品を受け止めるわたしたちは何かあったらなんとなく気が付きます。何も気が付かないふりをしてるときだって多いんです。

――「イケメン作品の粗製乱造はやめてほしい」と(笑)!

竹内:「私たちだって結構ちゃんと考えてるんだよ!」と(笑)。

――イケメンは好きだけど、彼らが出てたら全部OKというわけではない。

竹内:なぜか制作側は盲目的なファンが多いと思ってるんでしょうね。わたしたちのことを。

――それはメディアが極端な人ばっかり取り上げるという話に通じてきますね。

竹内:それこそファンだって色んな人がいるし、十人十色で。学生の子もいれば、社会人だっているし、夜のお仕事、昼のお仕事、主婦の人もいれば子育てしてる人もいるし。1ジャンルを極めてる子もいれば、いろんなジャンルを掛け持ちしてる子もいるし、いろんなジャンルを渡り歩いてきた猛者もいる。それにエンタメ業界内にもたくさんいますし。

――…これは私の実感なんですけど、テニミュや若手俳優ファンって出版業界にもメチャメチャ多いですよね。

竹内:ホンット多いです(笑)! ちょっとびっくりするぐらい多いんで! 未だに理由はわからないけど超多い…。テニミュに一番はまってた時に、その時の担当編集さんと一緒に行ってたんですけど、そしたらそこをきっかけに友だちができるじゃないですか。それがみんな編集者やライターだったんですよ。

だんだん書籍の人、教科書の人、漫画の人、いろんなジャンルの出版社の編集が集まってきて。握手会の会場近くで「○○出版の■■です」「漫画家の竹内です」と、名刺交換したりとか…(笑)。

――ちょっとした出版業界交流会ですね(笑)。

竹内:それで実際仕事につながりましたからね(笑)。

――漫画の話に戻るんですけど、今後ふたりの共同生活はどうなっていくんでしょうか? 

竹内:自分でも、この2人はどうなっていくのかなと思いながら描いてるんで、あんまりこう「次こうしよう」というような明確なプランは無いんですよね。すでにキャラがひとり歩きしているというか。きなりの仕事もまだ描いてないですし、そこは謎のままの方がいいかなと思ったり。ちょっと考えてる結末とかもありますけど、秘密です(笑)。

――こむぎは職場の上司に好意を持たれているようで…。

竹内:こむぎは「リア充」のキャラをかぶってるおっかけですよね。いるじゃないですか、職場ではおっかけなのを悟られないタイプ。きなりは全部ダダ漏れで「あの人はああいう人だから…」という扱いを受けるほっとかれタイプ。

読者の人からも「私はこむぎタイプ、友達はきなりタイプ」みたいな、自分と友達をどちらかに当てはめて楽しんでるメッセージをもらったりします。

たしかに実際に「面倒見の良いこむぎタイプ」と「奔放気味のきなりタイプ」のおっかけって二人一組になってることって多いんですよね。

――最後に、『2DK』をどんな方に読んで欲しいですか?

竹内:おっかけしたことがない、おっかけする気持ちがわからないという人にも読んで欲しいですね。「おっかけしてる子たちはみんなかわいくていきいきしてる」ってさっき言いましたけど、こむぎときなりの生活を見て、おっかけってこんなに楽しいんだよ、ということを伝えられたらと思います。

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