楽天の三木谷浩史社長(48)の“暴走”が目についた2013年だった。

 11月6日、かねて固執してきた市販薬(一般用医薬品)のインターネット販売の全面解禁が認められなかったことを不服とし、政府の産業競争力会議議員の辞職を表明。のちに安倍首相の慰留を受けて撤回するも、その強弁が物議を醸している。

 郵政相、通産相などを歴任した深谷隆司元衆院議員が解説する。

「彼の本当の狙いは、市販薬ではなく、その先にある医療用医薬品のインターネット販売。市販薬の市場規模6500億円に対し、医師の処方箋が必要となる医療用医薬品は9兆円。実現すれば自社の事業基盤の拡大につながる。その試金石が、市販薬のネット解禁です。ここで一歩も引かない姿勢を見せておかないと、その先の医療用医薬品の規制緩和など到底引き出せないと考えているのでしょう」

 三木谷氏が躍起になる背景には本業への不安がある、と指摘するのは経済ジャーナリストの森永卓郎氏だ。

「インターネット事業では開拓分野がなくなってきている。そのため、今後、新たな市場を切り開いていかなければと感じているのではないか」

 オーナーを務める東北楽天ゴールデンイーグルスの大エース、田中将大の米メジャーリーグ移籍についての一件でも、男を下げた。

 当初、マー君の移籍を容認していた三木谷氏だが、移籍金の金額に上限のある新ポスティング制度の締結が決まると一転。米メディアで移籍を認めないと発言した。

 三木谷氏の言動について野球評論家の江本孟紀氏は、こう語る。

「50億円とか100億円入ると目論んでいたのが、最大でも数億円程度しか入らない。三木谷さんにとってこれは大きな計算違いだったのでしょう。カネが入るからメジャーに行かせるのであって、入らないのに行かせても仕方ないと思ったのではないでしょうか」

 なりふり構わず突っ走るITの寵児。気がつけば四面楚歌、ということにならなければいいが……。

週刊朝日  2014年1月3・10日号