左から水川あさみ、木村文乃

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直木賞作家・辻村深月原作の映画『太陽の坐る場所』が、2014年秋から公開される。

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映画化された『ツナグ』などで知られる辻村が2008年に発表した同名小説をもとにした同作は、対照的な高校時代を過ごした2人の女性を中心に、卒業から10年後に行われた同窓会で明かされる過去や様々な思惑、秘められた想いなどが描かれた作品。

高校時代はクラスの女王様のような存在だったが、現在は地元の女子アナとして過ごす響子役に水川あさみ、地味な高校生だったが、現在はトップクラスの女優となっている今日子役に木村文乃がキャスティングされている。女性たちの内面を繊細かつ豊かに描写したのは、映画『ストロベリーショートケイクス』の矢崎仁司監督。撮影は原作者の辻村と矢崎監督の出身地でもある山梨で、12月26日まで行われる予定だ。

■水川あさみのコメント
学生の頃の想いってものは、大人になってから思い返せば恥ずかしい程稚拙なものだったりする。辻村さんの原作にも、矢崎監督の脚本にも人の心の中の微妙な醜い感情がそれぞれに描き出されていて少し心が締め付けられるような痛い気持ちと甘酸っぱく少しだけで懐かしい気持ちにもなります。矢崎監督のファンであり、今回御一緒させて頂けるのをとても嬉しく思っています。私の中から、どんな響子を引き出し、色付け、面白がっていただけるのか。身が引き締まる思いです。楽しみでなりません。

■木村文乃のコメント
矢崎監督の作品はどれも奇麗で品がある。同性が観ても異性が観ても、素敵で憧れるような世界観の矢崎作品に今回参加でき、とてもうれしく思います。キョウコが何を思っていて、どうしてそういう行動をとるのか。その理由をあからさまに表現しないことが大事な役でもあるので、難しいところはありますが、監督の中には『こうしたい』という思いがしっかりある。私はその上で、素直に表現していきたいと思います。

■矢崎仁司監督のコメント
辻村深月さんの『太陽の坐る場所』を映画にしたい。この小説の登場人物たちを、生身な人間で映し撮りたいと強く思いました。私が辻村さんと同じ山梨県人だから、この物語の五人の語り手たちの感情を肌で感じることができるのではと。山梨で生まれ育ったこと。近くて遠い東京の距離感。人間の心の底を抉る辻村文学に、いつか挑みたいと思っていました。 この『太陽の坐る場所』には、痛々しいほどの裸の心たちが、服を着て仮面を被り、日々を懸命に生きています。思春期の心の傷の包帯を解き、自分でも忘れていた傷口を、太陽に曝すことで、自分の新しい一歩を踏み出していく映画にしたいです。「キョウコ」は、今日であり、響きであり、鏡でもあると思います。この鏡に自らを映すことで、登場人物たちは、各々の道を見つけて歩き出す。この映画も観客ひとりひとりを映す鏡になり、映画館の暗闇から外に出た時、新しい何かを発見する予感の映画にしたいです。

■原作者・辻村深月のコメント
「太陽の坐る場所」は地方を描くという意味で私の転機となった作品です。映画化のお話しをいただいたとき、まずは大変な作業になるだろうと想像しました。登場人物も多く、関係が複雑なため、どのような構成になるのだろうかと。しかし矢崎監督というお名前を聞き、またシナリオを読ませていただき、その不安が期待に変わりました。原作の空気感が見事に表現されていたからです。監督は繊細な撮り方をされるという印象がありますので、その空気感をどのように切り取ってもらえるのか今からとても楽しみです。監督のモットーは劇場の暗闇から出た後に観客の皆さんの心に新たな光が当たるような作品だと伺いました。この作品の持つテーマとつながっていると感じています。映画の完成を心より楽しみにしています。