今年9月に、グループ初となるカバーアルバム「ハモ騒動〜The Gospellers Covers〜」をリリースしたゴスペラーズのリーダーを務める村上てつやさん。前半では、普段の読書スタイルや、本を読むようになったきっかけについて話を聞いてみました。うちの黒沢なんかは移動中でも平気で本を読めるみたいですけど、僕はアレ結構辛いんですよね。単純に文字を読み続けているのが。僕は半身浴です。そういう意味でもハードカバーよりも新書の方が読みやすいってのがありますよね(笑)。ある程度グチャグチャになってもいいっていうか(笑)。でもツアー中もそうですけど、本屋に行って本を買って、そのまま喫茶店に行ってその本を読むというのが、ひとつの黄金パターンですね。それは自分にとって結構、至福の時間で。ある程度まとめ買いして、たとえばスポーツや音楽の雑誌から読んで、そのあとに内容のあるような重めの本に移って2〜3時間くらいカフェや喫茶店で過ごすっていうのはオフの過ごし方としては結構ありますね。ツアーなどで各地をまわる際に読書はされないのですか?いろんな街の様子を見る機会が普通の職業よりも多いかなって思うんですよね。東京の家の近くだけではなくて、たとえば移動日やオフ日があって、そういう瞬間に本屋に入って本をピックアップするというのは、わりと好きでずーとやっていることなんですよね。ツアーをやりながら実はそういうことがモチベーションになってる。当然、その街に関する本を買って読むこともあったりします。こういうことは、ちょっと独特かもしれないけど、我々のように色々な街を旅しながら暮らすからこそできることなのかもしれない。想像だけではなくて、現地に行って現地の本を読むことができる。そのへんはやっぱり面白いと思います。そんな村上さんが本を読むようになったきっかけは、小学4年生のときの読書感想文だったそうです。小学校のとき灰谷健次郎さんの「きみはダックス先生がきらいか」って本を読んだんです。ある風変わりな先生が、ある学校の4年生のクラスを受け持つことになる、というところから始まる物語なんですが、その先生が学校の色々な常識を柔らかく崩していくんですよね。それが今でもすごく強く残っていて。どんなところが印象的でしたか?印象的なシーンは合唱コンクールのシーン。クラスでいつも騒がしい男の子が静かなんですね。というのも、その子は歌があまり得意じゃないというのもあったんですが、ほかの先生から「コンクールのときは、ただいてくれればいいから」と言われていたんです。そういうことに対して先生はすごく怒るんですね。上手いか下手ではなくて、皆が自分が一番いいと思う声を出し合うために合唱の授業があるんだ、と。小学校4年生のとき、自分で言うのも何なんですがそこそこ歌の上手い子だったんですよ(笑)。で、合唱の授業とかで「いろんな奴がいるなー」って思ってたんですが、この本が全く違った視点を投げかけてくれたんですね。みんなで色々な声を出し合っていって今のゴスペラーズがあるわけですけど、ひょっとしたら自分の今に繋がっている言葉で一番影響を与えている言葉なんじゃないかなって実は思っているんですよね。合わせることなんじゃないよ、そのままいることで、それが合っているってことですよって。その時も結構びっくりしたんですけど、今読んでもビックリする。これはやっぱり小学校の中で読んだ本の中ではズバ抜けて影響を受けて印象に残った本でしたね。次回は村上てつやさんの青春時代から音楽に関わる本の話についてお聞きします。お楽しみに!《プロフィール》村上てつや(むらかみ・てつや)1971年生まれ。大阪府出身。1994年に男性ヴォーカルグループ「ゴスペラーズ」としてメジャーデビューし、同グループのリーダーを務める。2013年9月25日には、初となるカバーアルバム「ハモ騒動〜The Gospellers Covers〜」をリリース。現在、全国ツアー開催中。公式HP http://www.5studio.net/
『ゴジラで負けてスパイダーマンで勝つ: わがソニー・ピクチャーズ再生記』 著者:野副 正行 出版社:新潮社 >>元の記事を見る

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