国家機密の漏洩に罰則を課す特定秘密保護法案が与党の強行採決で成立しました。これに対して法案に反対するひとたちは、国会周辺でデモを繰り返し、「恥を知れ」と叫んでいます。自民党の石破茂幹事長が、「(デモの)絶叫戦術はテロ行為と変わらない」とブログに書いたことで、絶叫はさらにヒートアップしてしまったようです。

 この問題については左右両極からさまざまな主張がありますが、議論が紛糾するのは典型的なトレードオフ(こちらを立てればあちらが立たない関係)だからです。

 近代国家は軍隊や警察などの暴力を独占していますから、その権力行使は市民に公開され、監視されなければなりません。これがデモクラシーの大原則である以上、不都合な情報を隠蔽する権利を国家に与えるのが矛盾であることはいうまでもありません。

 その一方で、北朝鮮の核開発やミサイル発射実験、中国の防空識別圏設定など、日本が隣国と軍事的・外交的緊張関係にあることも明らかです。日本の安全保障が日米安保条約と在日米軍(核の傘)に依存している現実から目を背けることはできません。

 安倍政権が特定秘密保護法案の成立を急いだのは、アメリカから「公務員が国家機密を漏らしても処罰されないのでは重要な軍事機密を共有できない」といわれたからです。先進国のほとんどは同様の法律を持っており、「安全保障にきわめて重要」との説明にも説得力があります。

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