写真提供:マイナビニュース

写真拡大

もらってうれしい年賀状、微妙な年賀状、いろいろ存在するが、自分が出すならやっぱり相手に「うれしい」と思ってほしいもの。そこで、年賀状についてのマナーを、清紫会 新・作法学院の近藤珠實さんに伺った。

年賀状は、そもそも相手の1年を祈るもの

近藤さん:

年賀状を書く上で気を付けたいのは、送り主の近況や新年の抱負だけを書いてくる場合ですね。そもそも、年賀状は相手の新しい年の幸せと健康を祝うもの。「お互いにいい年にしましょう」や「体に気を付けてがんばりましょう」など、相手の新しい年を祈願する気持ちや言葉が必要です。

近年では結婚式や家族写真の年賀状も増えていますが、相手によっては、気に障る場合もあります。自分の話ばかりを押し付けるのではなく、相手の幸せを祈る内容にしましょう。

また、年賀状では忌み言葉は使ってはいけません。何気なく「去年はお世話になりまして」と使いがちですが、「去」という文字には、「逝去」など、"なくなる"という意味が含まれています。この場合は「昨年」を選択するのがベター。また、「縁を切る」や「忌」など縁起の悪い言葉は極力避けてください。

年賀状は古くは平安時代から存在しましたが、当時、年の頭には必ず目上の人や知人にはあいさつに出向くことが慣例となっており、遠く離れて暮らすなど、会えない人に出すためのものでした。元日に送る相手のことを思い出しながら、心を込めて書き、それを飛脚に届けてもらう。このように、年賀状は古くから根を下ろし、日本の文化として育ち、成長してきたのです。

近藤珠實
東京、神田生まれ。昭和52年に新作法『清紫会』を結成、同時に、新・作法学院を開設。平成6年5月よりフジテレビ『笑っていいとも』にレギュラー出演し、作法に音楽を取り入れ、「お作法ダンス」で一躍話題に。以後、テレビ出演、執筆、講演、社員研修、学校教育など幅広く活躍。また多くの女性誌のマナーページで指導監修をしている。

(石井宏美)