2013年のゴルフ界も、さまざまな話題、ニュースがあった。今年1年のゴルフ界を振り返って、印象に残ったことは? プロゴルファー田中秀道に聞いてみた。

 10大ニュースは皆さんそれぞれあるだろう。ここでは、特に印象に残った3つのニュースを挙げたいと思う。
 私の中で、一番に出てくるのが、尾崎将司さんのエージシュート。ジャンボさんの全盛期に戦った身としては、つるやオープン初日に出した「62」が強烈な印象を持って迫ってくる。ニュースを聞いたときは、もうどうもこうもない、という感じ。レギュラーツアーでもエージシュートが出来るんだという驚き。66歳になっても、きっちりとしてショットを打てること、パットでスコアを作れること、全体のバランスがそろえば出来るということに、言葉もなかった。
 ジャンボさんにとってはその後のトーナメントでは厳しかった部分もあったが、たぶんあの1日で熱が上がってその後だめだったんじゃないかな。すごいぞ、ジャンボさんといわせていただきたい。永久シードの資格があればこそではあるけれども、ああいうニュースはゴルフ界にとってすばらしいこと。できれば、もっと若手に「ジャンボ級」の話題を提供してもらいたい。
 2つ目は、みなさんがそう思っているだろうが、松山英樹選手のルーキー賞金王。やると思わせて、本当にやってしまうところは、私たちが考えるレベルではない。中でも、カシオワールドオープンでの優勝にすごさを感じた。日本にも、ようやく世界と対等のサイズのゴルファーが出てきた。
 これまで、松山選手のような体のサイズのスポーツ選手は、野球に流れてきたと思う。大きくて、筋肉も関節も柔らかい。欧米の選手とアジアの選手が違うのはまず骨格。松山選手は欧米選手並みの骨格を、うまく使いこなすことが出来ている。メンタル的にもいい意味の「天然くん」で、何かあっても「関係ねえよ」って流せるところがいい。来年はメジャーに勝って、もっとびっくりさせてくれるか。
 3つ目は、宮里優作の日本シリーズ優勝。選手も、ギャラリーも、テレビの視聴者も、みんな感動したのではないだろうか。もともと潜在能力は高いのに、パットがイップスになったり、苦しんでいたところを見てきた。
 勝てないつらさよりも、それ以前のつらさがあったと思う。私が米ツアーに行っていたころも、スポットで時々来たので、よく食事をした。私が故障などもあってここ何年かよくなかったが、常にリスペクトしてくれ、陰ながら応援していた。優作のようにドラマチックなことをつくるのは難しいが、来年のツアーでは1つでも多く、熱くなる、熱くさせるゲームを見せてほしい。
田中秀道
91年にプロ入り。95年フィリップモリス選手権でツアー初優勝。166センチ、68キロの小柄な体ながら、体をフルに使ったスイングで300ヤードを飛ばし人気を得た。2001年に米ツアー最終予選を突破して02年から5年間、米ツアーに挑戦した。04年BCオープン、05年クライスラー選手権で3位が最高。現在は日本ツアー復帰を目指す一方、テレビ解説なども行っている。
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