[其ノ三 投信ファンダ編]多岐にわたる投信の販売チャンネル
投信が買える金融機関は、証券会社から銀行、インターネット証券へと広がってきた。それぞれのチャンネルにはどのような特徴があるのかを、いま一度おさらいしよう。

新規設定に慎重な銀行、自由度の高いネット証券、今後拡大しそうなFP仲介

1998年に規制が緩和されるまで、投信の販売チャンネルは長く証券会社に限定されていました。投資信託協会によれば、国内公募投信の純資産残高のうち、証券会社が占める割合は約65%で、銀行は約35%です。この中にはインターネット専業証券、銀行も含まれています。

投信の販売歴が長く、株式など投信以外のリスク商品も取り扱う証券会社では、ある程度の投資経験を持った中・上級者向けのファンドのほか、新規設定ファンドも多く展開されています。他方、銀行では一定期間の運用実績があるファンドが中心で、新規設定ファンドの取り扱いには慎重です。

なお、インターネット取引については、証券も銀行も店頭窓口より幅広い種類のファンドを取り扱っています。特に銀行の場合、リスクレベルの高いファンドは店頭窓口ではなく、インターネット専用として展開しているケースも。銀行で取り扱っているからといって安定的と過信せず、コールセンターを活用するなどしてファンドの仕組みを確認するようにしましょう。

今後拡大が見込まれている販売チャンネルもあります。日本ではまだなじみの薄い独立系FP(ファイナンシャル・プランナー)による仲介がそのひとつです。金融機関の運用相談窓口では、その金融機関で取り扱っている運用商品の範囲内での提案を原則としています。これが独立系FPであれば、運用商品の提案から相続対策に至るまで、中長期にわたって包括的なアドバイスを受けられるわけです。

企業による確定拠出年金制度の導入も、投信市場の裾野拡大に貢献すると期待されています。確定拠出年金制度では、従業員が将来受け取る退職金の運用先を従業員自身が決める必要があるため、運用先として投信が使われているのです。また、確定拠出年金では、掛け金が所得控除となり、税金が軽減されるなど税制上の優遇措置があります。

これまで多くの企業が導入していた確定給付型年金制度は、企業側が運用を担っていました。しかし、昨今の運用環境の悪化で退職金の確保が難しくなったこともあり、先駆者である米国を参考にする形で、2001年に日本でも確定拠出年金制度が導入されました。勤め先の会社が企業年金を導入していない場合などは、個人型の確定拠出年金に加入できる場合があります。

また、運用会社が証券会社や銀行を介さず投資家に直接ファンドを販売する直販制も忘れてはいけません。直販型運用会社の代表格といえば、セミナーや開示資料などアフターフォローの充実ぶりで有名なさわかみ投信や、月々5000円からの積立が可能なセゾン投信があります。

投信が中長期保有を前提とした金融商品であるという原点に立ち返ると、長年にわたって付き合える販売会社や税効率のよい保有方法を見極めることがとても重要であるということがわかります。

投信を購入するには…?

一般的なルートは3つ

リスク許容度の高い投資家向けの証券会社
初心者向け商品の拡充が進む銀行
手数料の低さが売りのインターネット専業証券・銀行

今後、投信の販売ルートはさらに広がる可能性

■ 独立系ファイナンシャル・アドバイザー(IFA)
■ 確定拠出年金
■ 独立系運用会社による直販制

今月の海外投信ノ「値」年利8%

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【今月の投信師匠】
篠田尚子(SHOKO SHINODA)
楽天証券経済研究所

慶應義塾大学法学部卒業。楽天証券経済研究所に所属するファンドアナリスト。情報量の多さと分析の鋭さは天下一品!



この記事は「WEBネットマネー2014年1月号」に掲載されたものです。