今年(2013年)は、コンビニATMの利用料を有料化する銀行が目立った。東邦銀行や常陽銀行、琉球銀行といった地方銀行が相次いで実施し、12月20日からは、三菱東京UFJ銀行も有料化に踏み切る。すでに実施している三井住友銀行、みずほ銀行と並んで、メガバンクはすべて有料化することになった。

 有料化の内容は、これまで無料としていた、平日午前8時45分から午後6時までの時間帯の利用手数料を105円(税込み、以下同)とし、さらに、105円の手数料を徴収していた、夜間・早朝あるいは土曜・日曜日の利用料を210円とするというものだ。

 有料化の背景には、銀行が肩代わりしてきたATM手数料が、膨らんできたことが背景にある。年々コンビニの数が増え、同時にATMを設置する店舗が増えた結果、コンビニATMの利用件数が飛躍的に増加している模様。コンビニATMの利用にかかるコストは1回あたり100円程度と想定されており、その料金は銀行がコンビニATMの事業者に支払う形になっている。その支払いが銀行の収益を圧迫しているのである。つまり、今回の有料化および利用料の値上げは、個人ユーザーにもその利用料を負担してもらうことが目的といえよう。

 ATM利用料の105円という額は、人それぞれの受け止め方はあるだろうが、やはり犢發き瓩箸い錣兇襪鯑世覆ぁ今、100万円を定期預金に預けても、1年間の利息は250円(年利0.025%の場合)にしかならない。手数料を2回支払えば、この利息はほぼ無くなってしまう。一方、コンビニATMの利便性は捨てがたい。メガバンクは支店の統廃合が進み、支店数が減ってきている。街中で現金が必要になったときは、やはりコンビニATMに頼ることが多い。

 したがって、銀行が提供するATM利用料が無料となる優遇サービスを活用することになるのだが、その優遇サービスも変更、または、変更される予定となっている。そこで、改めてメガバンクの優遇サービスをチェックしてみたい。ここからは、優遇を受けられる主な条件を挙げていこう。

【松岡賢治のマネーtab】コンビニATMの利用料有料化に備える

■優待サービスの中身を正確に把握するべし

 まず、三菱東京UFJは、「スーパー普通預金(メインバンク プラス)」を契約し、「三菱東京UFJダイレクト」に初回登録して、月末時点に預金などの口座残高が合計30万円以上、または給与の受け取りが月10万円以上あれば、提携先コンビニATM利用手数料が月間3回まで無料となる。

 みずほ銀行は、「みずほマイレージクラブ」に加入し、月末時点の口座残高が合計10万円以上、または、「みずほマイレージクラブ」のクレジットカードの利用が月1回でもあれば、コンビニATM利用手数料が回数制限なしで無料となっている。しかし、14年2月9日からは、無料は月間4回までとなる予定。

 そして、三井住友銀行は、「SMBCポイントパック」の契約をして、月末時点の口座残高が合計30万円以上、口座で給与を受け取る(受取額の条件はなし)、または、三井住友カード他の利用代金の引き落としがあると、月間4回まで無料となる。

 各行、優待条件に大きな差はないが、月末時点の口座残高が最も少なくて済み、無料利用回数が改定後も月間4回あるみずほ銀行が、わずかに有利といえようか。また、上記の条件に加えて、各行とも住宅ローンの借り入れがあれば無料となる。

 三菱東京UFJは、月間の無料利用回数が3回といちばん少ないが、コンビニATM利用料有料化に合わせて、ATMサービスの拡充を打ち出している。例えば、平日、土日祝日を問わず、夜9時まで、自行のATM利用料を無条件に無料とする(12月20日より)。さらに、自行のATMを30か所新設するという。コンビニATMとの提携サービスの縮小を、自行ATMで補うという方針だ。

 ビジネスマンの場合、メインバンクは確定しているだろう。したがって、優待サービスの内容や変更によって、メインバンクを変えることはないと思われるが、ATM利用料といった無駄な出費を避けるためにも、優待サービスの中身は正確に把握しておきたい。

(文/松岡賢治)

マネーライター、ファイナンシャルプランナー/シンクタンク、証券会社のリサーチ部門(債券)を経て、96年に独立。最新刊に『人生を楽しむマネー術』(共編著)。