大和ハウス工業総合技術研究所 山内正康氏

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東日本大震災以降、余震として大きな地震が繰り返し起きている。こう何度もあると、家がダメージを受けないかと不安な人も多いだろう。

ネットでも、「これだけ3年間に何度も大きな地震があると、さすがに家が崩壊しそう」「何度も地震があったからか家の壁にひびが入ってきたのだけど大丈夫なのかね…」といった声が聞かれる。

「大地震の後も、住み続けられる家であることが重要」

大和ハウス工業総合技術研究所 山内正康氏 耐震・制振・免振の違い

実際のところ、「繰り返し地震」で家にはどんな影響が出るのか。耐震技術について研究している大和ハウス工業総合技術研究所の山内正康氏によると、建築基準法で義務付けられた耐震基準を満たしているだけでは、震度6強以上の「繰り返し地震」を繰り返し受けると、構造体の当初設計した性能が徐々に落ちてくることが考えられ、最悪の場合倒壊にいたる危険性がある。ダメージの累積、つまり「ゆれ疲れ」とでもいうべき状態が発生するという。

では、「繰り返し地震による"ゆれ疲れ"」に対してどう対策していけばいいのか。

山内氏はもっとも有効な策の一つとして、建物と地盤の間に地震の揺れを受け流す装置を設ける「免震」構造をあげる。ただし、「免震構造は価格も高く、制限も多い」とも言う。

そのため、大和ハウス工業では「耐震」性能を高めることにも力を注いでいる。実は、耐震性能には、一般向けの表示基準がある。「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」にもとづくもので、最高等級の3(数百年に一度程度発生する地震による力の1.5倍の地震力に対して倒壊、崩壊等しない程度)にあたる性能を標準仕様としている。これは、建築基準法で定める耐震基準の1.5倍に当たる。2006年の実験によれば、巨大地震(震度6強〜7、阪神・淡路大震災時の記録波およびその加速度の2倍レベルも含む)18回、大地震33回、中地震34回、計85回の加震の結果、鉄骨フレームの損傷や外壁材のクラックなどの異常は認められなかったという。

また、こうした「耐震住宅」は、「大地震の後も、住み続けられる家であることが重要」と山内氏は語る。

「繰り返し地震の怖さというのは、ほとんどの人にとって経験がなくわからないものです。けれども、東日本大震災のように想定外のことが今後起こらないとも言えません。先ほどあった『繰り返しの地震による"ゆれ疲れ"」対策を考慮した家選びが必要だと思います。当社においては繰り返し発生する地震に対しても十分な性能がある工法をご提案することが大事であると考えます」