2014年以降、市場の過熱が予想されるJリート。保有物件や財務状況を確認して、割安&増配予想銘柄を今のうちに購入しておくことが肝要だ。

積極的な物件取得銘柄はLTVと親会社を確認

2014年以降、不動産市場の活性化が予測される中、各Jリート銘柄とも公募増資による積極的な物件取得の動きが目立つ。この結果、分配金増額に結びつく銘柄が収益を上げるだろう。

Jリートは収益の90%超を分配する仕組みのため、内部留保ができない。そのため、物件取得の場合は半分は借り入れ、半分は公募増資で資金を調達する。そこで大事なのが、LTV水準。LTVは総資産有利子負債比率のことで、借金の総額が総資産に対してどの程度かを示すもの。これが50%を切っていれば、公募増資をしても、分配金の希薄化が起きないため、優良銘柄といえる。また、借り入れの面では、スポンサーがしっかりしているかを見る必要がある。もちろん、分配金利回りも最初にチェックする数字。しかし、高ければいいわけではないので注意が必要だ。

2014年値上がり狙いの5銘柄

成長が期待できる物流型、オリンピック需要で成長のホテル型、オフィスを含む総合型が注目だ。

日本プロロジスリート投資法人(3283)

物流施設で卓越した開発実績を持つプロロジスグループのAクラス物流施設にのみ投資するJリートとして、2013年2月に上場。上場時12物件取得から8物件を追加している。平均築年数が4.6年と最新鋭の施設をラインアップ。

価格:93万円
決算月:5月・11月
1口当たり分配金●2013年5月期:8713円
●2013年11月期(予想):1万8191円
●2014年5月期(予想):1万7826円
分配金利回り:3.91%
年初来値上がり率:53.90%
純資産総額:984億1500万円
保有物件数:20棟
運用資産種別:物流施設

※2013年5月期は2013年2月15日〜5月31日までの変則決算。

ジャパン・ホテル・リート投資法人(8985)

2012年4月に日本ホテルファンド投資法人とジャパン・ホテル・アンド・リゾート投資法人の合併により改称。今年4月には東京ディズニーランド隣接の「ヒルトン東京ベイ」を取得。宿泊部門の好調で増配。オリンピックに向けて期待大。

価格:4万5100円
決算月:12月
1口当たり分配金●2012年12月期:1427円
●2013年12月期(予想):1803円
●2014年12月期(予想):―
分配金利回り:3.99%
年初来値上がり率:96.50%
純資産額:881億700万円
保有物件数:28棟
運用資産種別:ホテル

※2012年12月期は2012年4月1日〜12月31日までの変則決算。

日本プライムリアルティ投資法人(8955)

2002年6月に上場。複数の用途の不動産を運用する複合型Jリートとして最大規模。オフィスと商業施設の割合を70〜90%、10〜30%とし、機動的ポートフォリオを構築している。2013年6月期末の稼働率は期初想定の94.8%を大幅に上回り、収益改善に寄与すると期待。

価格:32万8000円
決算月:6月・12月
1口当たり分配金●2012年12月期:6093円
●2013年6月期:6031円
●2013年12月期(予想):5800円
分配金利回り:3.53%
年初来値上がり率:60.86%
純資産総額:1971億1600万円
保有物件数:60棟
運用資産種別:複合(オフィスビル・商業施設等)

日本ロジスティクスファンド投資法人(8967)

日本で初めての「物流施設特化型リート」。2005年5月の上場以来、物流事業に長く取り組んできた三井物産の英知を結集。物流施設の立地、仕様、テナントニーズを見極めて取得。リーシング・施設管理チームが安定運用している。含み益率22.1%も注目。

価格:100万5000円
決算月:1月・7月
1口当たり分配金●2013年7月期:1万7500円
●2014年1月期(予想):1万8000円
●2014年7月期(予想):1万8500円
分配金利回り:3.58%
年初来値上がり率:52.05%
純資産総額:996億8500万円
保有物件数:36棟
運用資産種別:物流施設

オリックス不動産投資法人(8954)

オフィスビルを中心に物流施設、商業施設、住宅などに投資をする日本最初の総合型として2002年6月に上場。2013年8月期は、商業施設4物件(取得)と住宅1物件(売却)の入れ替えを行ない収益性アップを狙う。分配金は増額。同年3月に1対5の投資分割を実施。

価格:12万円
決算月:2月・8月
1口当たり分配金●2013年8月期:2411円
●2014年2月期(予想):2370円
●2014年8月期(予想):2380円
分配金利回り:3.95%
年初来値上がり率:55.08%
純資産総額:1748億4200万円
保有物件数:73棟
運用資産種別:総合(オフィスビル・商業施設等)

2014年分配金狙いの5銘柄

市況の活性化により、積極的に物件を取得。その結果、分配金の増額を維持する銘柄に注目だ。

アドバンス・レジデンス投資法人(3269)

2010年3月に日本レジデンシャル投資法人と合併し上場。資産規模では日本最大級の住宅特化型だ。伊藤忠グループによって企画・開発された物件を中心に取得。高稼働率維持、収益性アップで分配金の増額など、安定運用している。

価格:21万8600円
決算月:1月・7月
1口当たり分配金●2013年1月期:4505円
●2013年7月期:4590円
●2014年1月期(予想):4500円
分配金利回り:4.11%
年初来値上がり率:52.49%
純資産総額:1954億4600万円
保有物件数:205棟
運用資産種別:住居

ユナイテッド・アーバン投資法人(8960)

2003年12月の上場以来、投資対象不動産の用途と地域を分散させた総合型として拡大。2013年5月期は丸紅のサポートを得つつ、商業施設、ホテル、オフィスをそれぞれ取得するなど積極的に展開。総資産有利子負債比率低下も顕著に。

価格:14万4500円
決算月:5月・11月
1口当たり分配金●2013年5月期:2750円
●2013年11月期(予想):2750円
●2014年5月期(予想):2750円
分配金利回り:3.80%
年初来値上がり率:71.96%
純資産総額:2281億4200万円
保有物件数:95棟
運用資産種別:総合(オフィスビル・商業施設等)

積水ハウス・SI投資法人(8973)

2005年7月にジョイント・リート投資法人として上場、2010年6月に現法人名に商号変更。積水ハウスが開発した高品質な賃貸住宅を基軸としたポートフォリオ構築を目指す。2期連続公募増資を通じ、東京圏の住居物件を取得した。有利子負債率低下と分配金の増額を実現。

価格:48万4000円
決算月:3月・9月
1口当たり分配金●2012年9月期:1万351円
●2013年3月期:1万459円
●2013年9月期(予想):1万526円
分配金利回り:4.34%
年初来値上がり率:43.22%
純資産総額:591億8800万円
保有物件数:93棟
運用資産種別:総合(住居中心)

大和ハウスリート投資法人(3263)

2012年11月上場。高機能型物流施設と専門店集積型商業施設を豊富な開発実績のある大和ハウスグループと組んで、開発・取得。稼働率99.9%を誇り、賃料改定・契約更新で安定収益を図り、2013年8月期は予想分配金を上回る1口当たり1万6055円を実現した。

価格:73万5000円
決算月:2月・8月
1口当たり分配金●2013年8月期:1万6055円
●2014年2月期(予想):1万5600円
●2014年8月期(予想):1万5300円
分配金利回り:4.24%
年初来値上がり率:50.74%
純資産総額:613億4800万円
保有物件数:25棟
運用資産種別:複合(物流施設・商業施設)

日本アコモデーションファンド投資法人(3226)

2006年8月上場。ライフスタイルの変化に伴うさまざまなニーズの居住・滞在空間を賄う賃貸住宅、学生寮、シニア住宅、社宅などを幅広く取得。三井不動産グループが用地選定から企画・開発・管理を担当。住宅型で最上級の格付けだ。2014年2月期は分配金を増額予定。

価格:68万6000円
決算月:2月・8月
1口当たり分配金●2013年2月期:1万4890円
●2013年8月期:1万3717円
●2014年2月期(予想):1万4400円
分配金利回り:4.19%
年初来値上がり率:26.71%
純資産額:1289億2100円
保有物件数:108棟
運用資産種別:住居

※価格と分配金利回りは2013年11月8日、その他は10月23日現在。

この記事は「WEBネットマネー2014年1月号」に掲載されたものです。